2022年10月19日、外務省が新型コロナウイルスをめぐる日本の感染症危険情報を、レベル2からレベル1に引き下げたというニュースが飛び込んできました。
「レベル1」っていうことは、危険度は最低ってことになるのかな?
だったらもしかして、マスクもそろそろ、不要になる?
長引くマスク着用にうんざりしていた私は、すぐにそんなことを思ってしまいました。
なぜって私の勤務する会社では「マスクは不織布マスクを着用すること。」というお達しが上から出ているので、布マスクを洗いながら使い続けるということができなくて、延々と不織布マスクを購入し続けなければならないんですよね。
何年も続くと、かなりの出費になります。
それに、この使い捨てのマスクを日本全国の沢山の人が使用していることを考えたら、ゴミの量が半端ないことになると思うし、使い終わったマスクを燃えるゴミとして簡単に捨てるのは、公衆衛生の面から考えて問題はないのか?と、考え始めるとそんなことも気になってきます。
あと個人的に、2年以上も毎日マスクを着用していると、鼻がつぶれて人相が変わってしまうのではないかと、それも心配です。
まあこれは私が心配しているだけで、そんな実害はないだろうとは思いますが…。
しかし結論から言うと感染症危険情報とはマスクとは関係のない話であり、日本がマスクから開放されるのは、まだもっと先になるようです。
ちなみに日本人がマスクから開放されないのは、科学的根拠云々というより、常に周囲に気を使い、周りの様子をを見て自分の行動を決めるという、日本人の特異な国民性が原因のようなんですよね。
感染症危険情報レベル1とは何なのか、日本人がノーマスクで日常を過ごせる日はいつになるのか、調べてまとめてみました。
感染症危険情報レベル1とは?
「感染症危険情報」とは外務省が出すものです。
海外に渡航する日本人などに向け、危険度の高い感染症に特に注意が必要と考えられる国や地域に4段階で出す情報です。
レベル1:十分注意してください。
レベル2:不要不急の渡航はやめてください。
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
今回外務省は日本における感染症危険情報をレベル2から「全世界レベル1」に引き下げたということです。
つまり渡航自粛を要請する国はなくなったということで、海外旅行も個人が行きたければどこにでも行けるということですね。
マスクに関する政府の見解
ところでマスク着用について、政府は今現在何と言っているのでしょうか?
厚生労働省のホームページを見てみると、マスクの必要性に関して今の時点では、「屋外では季節を問わず原則不要」で、「屋内では、距離が確保でき会話をほとんど行わない場合をのぞき、着用をお願いします。」ということになっていました。
つまりマスクに関する日本政府の見解は、もうかなりゆるくなっているんですよね。
外ではしなくて構わないし、建物の中でも人と離れていたり喋らない状況なら、マスクは外してもいいってことらしいです。
岸田首相も3日ほど前にマスクの着用ルールについて、「マスクの着脱は場面に応じて適切に」と発言していました。
しかし今、私は東京副都心で働いているのですが、通勤電車の中も、会社に行く途中の路上も、会社内でも、マスクを外したままの人を見ることはまずありません。
誰もが当たり前のようにマスクをしているので、もしマスクをしていない人がいたら多分すごく目立つと思います。
「場所や場合によってはマスクはしなくても良い」という政府の見解が出ているにもかかわらず、なぜ皆マスクを外さないのでしょうか?
コロナ初期のマスク事情
思えばコロナ前は、マスクをしている人といえば、花粉症の症状がひどい人や、風邪を引いている人など、限られた人だけだったんですよね。
コロナ禍となり、国民全員がマスクを着用するようになった現在の状況は、日本の長い歴史を鑑みても異常な事態であると思いますが、そもそも皆がマスクを着け始めたコロナ禍の始まりは、どんな状況だったのでしょうか?
・2020年1月16日 国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認される。
この頃からマスクが店頭から消え始め、品薄地域は一気に全国に拡大。
・2020年3月15日~ 消費者庁がマスクの高額転売禁止の勧告を出す
ウイルスの感染拡大が明らかになって以降、マスクの需要が殺到し、高額転売される事態が急増。どこに行ってもマスクは売り切れで、なかなか手に入らない状況がしばらく続きました。
・2020年4月7日 最初の緊急事態宣言発令
同月 アベノマスク配布
急激な需要の拡大で発生した不織布マスク不足の解消を目的として、安倍政権が約260億円をかけて日本の全世帯にマスクを2枚ずつ配布しました。
しかしこのアベノマスク、ガーゼマスクでサイズも小さく、異物混入の報告が多数あり、おまけに配布終了した頃には一般販売が回復していたというオチもあり、「役に立たなかった」という国民の声が8割を超えたという話も。
このようにコロナ初期のマスク不足は深刻な問題でしたが、その後マスクの供給は安定し、今では多種多様なマスクがどこに行っても溢れています。
ネットでも簡単に購入できるし、好きな色や柄を選べるのでファッションの一部になっているような余裕すらありますね。
まとめ
10月19日、感染症危険情報がレベル1に引き下げられたわけですが、この約一週間前の10月11日、政府による水際対策が大幅に緩和され、個人の外国人旅行客の入国が解禁されました。
日本から外国に行くのも、外国から日本に来るのも自由になったということで、つまり制限としてはほぼコロナ禍前の状態に戻ったということです。
一時は東京に住む人が地方に行き来するだけで厳しく咎められる風潮があり、なんだか日本人同士が対立しているみたいで恐怖を感じましたが、今はもう外国とも行き来自由ってことになったんですよね。
でも何でしょうか、ちっとも嬉しくないこの気持ち…。
やっぱり、マスクを毎日している限り、コロナ禍前の状態になったと言われても実感が伴わないですね。
日本人はいつマスクを外すのでしょうか。
日本のマスク着用率は世界中でも突出の85%以上。
しかし残念なことにここ最近の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、日本が世界一だそうな。
ってことはマスク着用の意味はないに等しいということではないでしょうか?
政府が規制を緩めても、マスクの効果があるとは思えない状況になっても、マスクを外そうとはしないのは、やはり日本人が「和」や「協調性」を重んじる民族だからだろうなと思うのですが、どうなんでしょうか?
今はほとんどの人がまだマスクを着用していて、日本ではもはや公共のマナーのようになっています。
私などは特に何も考えておらず、ただ習慣化してしまってる感がありますが、中にはマスクの効果を固く信じている人もいるだろうし、誰もがマスクをしている中、自分だけ外すことで周囲に不快な思いをさせることになるかもしれないし、そう考えるとマスクを外すのにはやはり勇気が必要になってきますよね。
波風立てないように気を使うのは、良くも悪くも喧嘩ごとを嫌い、何よりも平穏なことを優先する日本人の特性なのかもしれません。
これから冬に向かい寒さ厳しい季節となり、今冬は新型コロナとインフルエンザが同時流行するとも報道されています。
なので全国民マスク着用という日本の光景はこれからもまだ続きそうです。
日本人がマスクを外す時、その時がコロナ禍終息の時と言えるのかもしれません。
冬を越して、2022年の春あたりに、ぜひその光景を見たいものです。