日本三景の一つ、京都の天橋立(あまのはしだて)。
全長約3.6kmの砂州に6,000本以上の松が茂っている珍しい地形で、
その形が天にかかる橋のように見えることから『天橋立』の名がつきました。
ちなみに、日本三景の残り2つは宮城県の『松島』、広島県の『宮島』です。
(宮城県 松島)
(広島県 宮島)
2024年2月15日午後2時15分頃、
この『天橋立』を眺められる京都の天橋立傘松公園で、
「股のぞき」をしていた50代の男性が一緒に来ていた同僚に押され、
展望台から落下し下の斜面を約15メートル転げ落ちるという事故が起こりました。
男性は病院に運ばれ命に別条はないようですが、
男性が押されて転落する瞬間のショッキングな動画が拡散され、
押した男性に批判が集中しています。
(閲覧注意:転落する瞬間の動画)
落ちた男性は命に別条はないということで何よりでしたが、
この「股のぞき」というのは何なんでしょうか?
天橋立でなぜ股のぞきするの?
「股のぞき」とは、天橋立に背を向けて立ち、腰を曲げて股の間から景色を眺めること。
直立時に見られる空と海の景色が逆になり、
海が空のように見えて天橋立が天にかかる橋のように見えるのです。
(股のぞきで見る天橋立)
股のぞき発祥の地と言われるのが今回の事故が起こった傘松公園。
明治33年(1900)頃に傘松公園に展望所を設置した吉田皆三氏によって広められたものだそうです。
「股のぞき」は、大正・昭和に天橋立のお土産として販売されていた写真入り絵葉書に多数見られ、
天橋立を股のぞきで見るという行為が定着するきっかけになったと考えられています。
この絵葉書は大正7年~昭和7年に発行されたもののようですが、
着物姿の女性まで股のぞきの格好をして写真におさまっているのがちょっと驚きです。
このユニークな眺望スタイル「股のぞき」は120年の歴史を誇り、
現在でも定番の眺望スタイルなのです。
童心に戻れて楽しめるような感じがしますね。
転落した男性は逆向きにのぞいていた
あらためて今回の事故の動画を見てみると、
転落した男性は股のぞきの姿勢を逆向きにしているんですよね。
本来は天橋立が見える方向にかがむものですが、
男性は逆に、山側をのぞく格好でかがんでいました。
おそらくふざけていたのでしょう。
そしてこの男性のお尻を押したのは同僚の男性。
お互いに悪ノリしてふざけていた中での思いがけない事故だったのではないでしょうか。
消防によると、落下事故での救助要請は過去30年間一度もなかったということです。
「今回のように高所からの転落事故というのは初めてのケースです。
(転落した男性は)しゃべりかけに対し返答もしっかりされていましたし観察した結果大きな外傷、出血などはありませんでした。
一緒に来ていた方はびっくりされていたようでした」
(宮津与謝消防署・早石伸吾署長のお話)
まとめ
SNSで男性が押されて転落する動画が拡散され、
押した男性に対して非難ごうごうの書き込みが沢山ありました。
本人は今頃真っ青になっているのではないでしょうか。
押した男性に悪意は無かったと思いますが、
結果的に押された男性は入院し、消防も出動するはめになり、
ニュースとして報道され大騒ぎになってしまいました。
旅先での解放感もあり、男性ばかりで子供に戻って、
はしゃぎすぎたんでしょうか?
羽目を外し過ぎるととんでもない事故に繋がるといういい事例ですね。
転落した男性が早く元気になればいいと思います。