県岐商 チームメンバー

写真提供:株式会社フジナ

 

「県立岐阜商は公立なのに、どうしてこんなに強いんだろう?」

 

高校野球ファンなら一度は思ったことがあるかもしれません。

 

岐阜県立岐阜商業高校(通称:県岐阜商)は、公立高校でありながら全国の強豪と肩を並べる実力を持つ名門校です。

 

私立のように全国から選手を集められない環境なのに、なぜここまで勝てるのか?

 

この記事では、県岐阜商の強さの秘密をまとめました。

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県立岐阜商は公立なのになぜ強いのか?

県立岐阜商 メンバー

岐阜青春フルスイング

 

県岐阜商は、岐阜県にある公立の商業高校で、私立のように全国から有望選手をスカウトすることはできません。

 

それにも関わらず、春夏あわせて甲子園出場回数は61回、そして2025年の大会では16年ぶりのベスト4進出という驚異的な実績を誇ります。

 

この「公立なのに強い」という評価の背景には、限られた条件下でも成果を出す明確な理由がいくつもあります。

 

最大のポイントは、地元選手の育成力

 

私立のような選手獲得ではなく、「県内の才能を早期に見つけ、徹底的に育て上げる」スタイルが確立されています。

 

そして、その育成を支えているのが、質の高い指導体制と戦略的な練習です。

藤井監督による戦略的な指導

藤井監督

スポニチSPonichi Annex

 

県岐阜商の野球部を率いる藤井監督は、科学的なアプローチとデータ活用を積極的に取り入れる現代型の指導者です。

 

たとえば、相手投手の配球傾向を分析して打席での対応を練ったり、守備位置を状況に応じて細かく調整するなど、緻密な戦術をチームに落とし込んでいます。

 

また、スタッフも充実しており、個別指導による選手育成や、ポジション別の技術強化が行われています。

 

部員数は約78名と大所帯ですが、それぞれの選手の特性や成長段階に合わせた指導が行き届いており、選手たちは自信を持ってプレーに臨んでいます。

 

こうした「頭を使う野球」を軸にした指導が、限られたリソースを最大限に活用する県立ならではの工夫となっています。

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伝統と地元愛が育む強さの源泉

昔の県岐阜商

岐阜新聞デジタル

 

県岐阜商には、100年以上の歴史と「不撓不屈」の精神が根づいています。

 

この長い伝統は、選手たちに「県岐阜商のユニフォームを着る重み」を実感させ、自然と高いモチベーションを生み出しています。

 

また、県内では「県岐商」として知られ、地元住民やOBからの応援が非常に強いのも特徴です。

 

地域企業とのつながりや、卒業生の支援など、学校を支える力が一体となって選手の背中を押しています。

 

特に、数々のプロ野球選手の輩出実績は、在校生にとっての大きな刺激。

 

「自分も続きたい」という気持ちが、日々の練習への集中力や、試合での粘り強さにつながっています。

私立との違いの乗り越え方は?

私立高校は、全国から有望選手を集めるスカウト制度や、豊富な資金力を活かした最新設備、専任コーチの配置など、多くの面で優位に立っています。

 

一方で、県岐阜商のような公立校は、岐阜県内の生徒しか受け入れられず、施設や予算にも限界があります。

 

ではなぜ、そんな条件でも勝ち上がれるのか。

 

答えは、「戦う場所を見極め、限られた資源で最大の成果を上げる戦略」にあります。

 

たとえば、ハイテク機材に頼らずとも、データ分析や映像解析などの低コストな手法を取り入れることで、私立と同等のレベルで試合に臨める準備をしています。

 

また、「全国から選手を集められない」ことを逆に強みに変え、地元出身選手の一体感や結束力で私立との差を埋めています。

 

これはまさに、「県立でも、工夫次第で私立に勝てる」という好例です。

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最新2025年の甲子園実績がすごい!

2025年の第107回全国高校野球選手権大会で、県岐阜商は3年ぶりに甲子園出場を果たしました。

 

注目を集めたのは、準々決勝での横浜高校戦。

 

強豪・横浜高校を相手に、延長11回タイブレークで8対7の劇的なサヨナラ勝ちを収め、実に16年ぶりのベスト4進出を決めました。

県岐商 サヨナラ勝ち

スポニチSPonichi Annex

 

この試合は、選手全員が最後まで集中力を切らさず、チーム一丸となって粘り強く戦ったことが勝因です。

 

また、高校通算29本塁打の大型ショートや、二刀流で活躍する2年生捕手など、有望な若手の台頭も見逃せません。

 

こうした選手を短期間で一流レベルに育て上げる育成体制は、公立とは思えない完成度の高さです。

まとめ

県岐阜商が「公立なのに強い」と言われる理由は、偶然ではありません。

 

・戦略的な指導を行う藤井監督の存在

・伝統と地域の支援による高いモチベーション

地元選手を徹底的に育てるスタイル

・私立のような設備がなくても、工夫と努力で結果を出す姿勢

 

こうした要素が見事に噛み合った結果、2025年にはベスト4という快挙を達成しました。

 

「県立でもここまでできる」という実例は、他の公立高校にとっても大きなヒントになります。

 

そして何より、挑戦し続ける姿勢こそが県岐阜商の一番の強さと言えるでしょう。

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