つい先日、稲垣潤一さんの歌のワンフレーズが聴こえてきて、

『懐かしいな、昔聴いたことがある曲だ。なんていう曲だったっけ?』

と調べてみたら「ブルージン・ピエロ」という曲でした。

 

1985年に発売された曲です。今からなんと39年も前…。

 

稲垣潤一 ブルージン・ピエロ

 

日本がバブル期で明るかった時代ですね。

あの時代に若者だった人たちは口を揃えて

「いい時代だった、希望にあふれていて毎日楽しかった。」

と言います。

 

私もその頃の若者の1人なのですが、確かに当時日本は好景気で活気に満ちていました。

そのため私の場合あまり自分の人生を真面目に考えておらず

あくせく仕事をするのが嫌で、

素敵な雑貨屋さんか何かでのんびりバイトして

好きな人ができたら結婚して、良い奥さんになって良いお母さんになって、

子供が大きくなったら自分の好きな仕事をやれたらいいなあ、なんて思っていました。

 

若い女性がそんなのんびりした甘い夢を描いても誰も批判したりしない、

余裕に満ちた時代だったんですよね。

 

直後バブルははじけて、日本は長い暗いトンネルに入って行くのですが…。

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稲垣潤一の「ブルージン・ピエロ」とは

「ブルージン・ピエロ」という曲は、

日本がバブル期に突入する華やかな時代に流行った曲です。

 

私にとってはほとんど記憶にない曲なのですが、

しかし今あらためて聴くと妙に心に沁みて泣ける…。

 

どんな曲だったのか、改めて調べてみました。

 

「ブルージン・ピエロ」:安井かずみ作詞、加藤和彦作曲

 

曲を作ったのは当時のヒットメーカーコンビであり夫婦でもあったお二人。

残念ながら今はもうお二人ともこの世にいません。

 

安井かずみさんは55年という短い生涯の中で、

約4000曲もの作品を手掛けた偉大な作詞家であったという事を初めて知りました。

 

「ブルージン・ピエロ」はサビの部分のメロディーと歌詞が印象に残る曲ですが、

あらためてじっくり聴くとこれはかなり切ない失恋の歌なんですね。

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「ブルージン・ピエロ」の歌詞の意味は?

 

「下手なジョークで君の気を引こうと必死なブルージン・ピエロ

下手なダンスで君を離さないとささやく

ブルージン・ピエロ

君の気持ちはもう決まっていたのに 

僕だけ知らない」

 

ブルージン・ピエロというのはその名の通り、ジーンズ姿の道化師ということで、

とんだ道化者だと自分のことを揶揄してるような感じです。

 

わかるような気がします。

自分が相手にとってたいして重要な存在ではないってことを理解できるまで、

ちょっと時間がかかるんですよね。

 

恋に夢中になっている時、自分は人が変わったように盛り上がっていて

理性や常識が一時的に欠落してしまうというか、

何事も冷静に考えることができない…。

「恋は熱病のようなものである」とはよく言ったものです。

 

 

「下手な喋りもとぎれがちな夜は

無理して酒飲むピエロ

下手にひき止めて君を困らせたよ 

若いなブルージン・ピエロ

君は静かにもう恋を捨てたのに 

僕だけ知らない」

 

残酷なことに熱い想いは自分一人だけで、

相手は平常モードで、むしろ少々迷惑がられている場合さえある…。

相手は最初から軽い気持ちしかなかったのかもしれない。

 

「あの時できる限りの愛で抱きしめた

バカだな君の匂いをまだおぼえている

バカだなバカだなまた胸熱くなる」

 

「あの時君は大人でそして優しくて

バカだな僕はそのまま愛を信じてた

いつまでもいつまでも変わらない愛を」

 

誰かの言葉にありました。

いつでも愛はどちらかの方が深く、切ない。

 

大人で優しかった相手は、気を使ってくれたのでしょう。

それが愛だと期待してしまうのも当然かもしれません。

自分が信じたいことを信じることほどたやすい事はないからです。

 

この曲は男性の心情を歌っていますが、

失恋したことがある人なら男女関係なく誰もが共感できる曲ではないでしょうか。

この歌を作詞した安井かずみさんも女性です。

 

相手のことが好きでたまらない純粋な気持ち。

相手の為ならなんでもしてあげたい、一緒にいると嬉しくて浮かれてしまう。

 

だけど相手は、同じ気持ちじゃなかった。

そればかりか他に好きな人ができたようだ…。

 

それがはっきりわかった日、人はどれだけ衝撃を受けることか。

考えてみたらどこにでもある、ありふれた話であり

他人から見れば笑い話です。

 

しかし世の中には、失恋のショックで命を絶つ人だっているのです。

本人にとってはその悲しみは癒やしようがなく、ただひたすら耐えて、

時間が経ち傷が癒えるのを待つだけ…。

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ネットの声

ブルージン・ピエロの曲に寄せられていた声をまとめてみました。

 

まさにこの通りのピエロをしてしまって、見事に繋ぎ止められなかった。

心を切り裂かれるような悲しさと苦しさに苛まれている時に、

車を運転していてこの曲を聴いたら大泣きしたな。

 

若い頃の男は皆道化師で…やんちゃで…純情で、真っ直ぐに気持ちを伝える事に臆病で……

周りから笑われても笑われても想いを大切に生きて行く…

 

突然の恋の終わりに歌詞中の「馬鹿だな」は心に沁みました。

自分の知らない間に彼女はもう恋を捨てていたのかと辛い気持ちが未だにリフレインしています。

 

この曲の良さは大失恋した者ほどわかるんやないかな?

今は普通に聴くことができるようになりました。笑

 

男性の心情ですが、女性の心情にも通じる。

私も失恋してこの曲で泣きました。

 

人生で一番思いっきり失恋 した時に… 

泣きながら聞いてたな…

失恋の歌に癒される

しかし不思議なことにこの曲を聴いていると、

忘れていた悲しい気持ちが蘇ってくるのですが同時に心癒やされる気がします。

 

それはこの曲が失恋した時の自分の心というものが、

虚栄心や損得勘定抜きの純粋な愛情に満ちていたことに気がつかせてくれるからかもしれません。

 

その時はただ惨めな思いをした記憶しかなくても、

実際は自分が愛する人に相手にされなかったという受け入れ難い現実を受け入れ、

潔く諦めるという決心をしていたのです。

 

そしてそれは相手の心を尊重することであり、自分の愛情の延長線上にあるものです。

 

人生において、失って涙を流すほど愛する人に出会い、数ヶ月でも数年でも共に過ごせたことは

素晴らしく幸福な体験だったと言えるのかもしれません。

 

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