静岡県に流れる清流・柿田川。
その清らかな泉郷は、パワースポットとしても知られます。
この美しい川の岸に、「ナガエツルノゲイトウ」という外来植物が生えていることが確認され、問題になっています。
ナガエツルノゲイトウは主に水辺で生育し、一見どこにでもある草のように見えるのですが、その驚異的な繁殖力から「地球上で最悪の侵略的植物」とも呼ばれているのです。
なんとも恐ろしげな呼ばれ方ですね。
しかし本当にたちが悪く、人間の生活を脅かすのに十分な力を持っているようです。
※ちなみ情報
空芯蓮子草、革命草という呼び名もあります。
茎の中は空洞で、簡単にポキリと折れてしまいます。
目次
ナガエツルノゲイトウはいつどこから来た?
ナガエツルノゲイトウは南アメリカのパラナ川流域が原産地。
現在では世界中に外来種として定着しているようです。
日本では1989年、兵庫県尼崎市で最初に確認されています。
ナガエツルノゲイトウはどうやって日本に入ってきたのか
グローバルな時代となり、これだけ世界中の人々の往来が盛んになると、外来種の植物が侵入してくるのは避けられないことなのかもしれません。
ナガエツルノゲイトウはどうやって日本に入ってきたのでしょうか。
もともとは水草に分類されるものなので、アクアリウム等観賞用として持ち込まれたものが野生化したものと考えられています。
⚠ ナガエツルノゲイトウはもともと観賞用に持ち込まれた
観賞用に持ち込まれたものが野生化して繁殖して、人の手に負えなくなったなんて信じられない話です。
それだけ繁殖力が強かったということなのでしょう…。
ナガエツルノゲイトウに侵略されてる県はどこ?
兵庫県尼崎市で最初に確認されたのは1989年ですが、それから30年余りの年月が経ちました。
国立環境研究所の情報によると、今では日本の関東以西に広く分布しています。
茨城、埼玉、東京、千葉、神奈川、山梨、静岡、三重、福井、滋賀、奈良、京都、大阪、兵庫、鳥取、島根、山口、香川、徳島、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の25都府県
(2023年2月時点)
ナガエツルノゲイトウが引き起こす問題
ナガエツルノゲイトウが引き起こす問題はたくさんあります。
● 在来の植物の成長を阻害する
● 水路を塞ぎ水害を起こす危険がある
● ポンプや揚排水機場などで負荷や詰まりを発生させる
● ため池などで増えすぎると水質の悪化や水生生物に悪影響が出る
● 除去には多大な労力と産業廃棄物として処理する費用が必要になる
ただの雑草のはずなのに…。
かなり深刻な問題ばかりです。
ナガエツルノゲイトウの駆除の難しさ
2005年6月、外来生物法の特定外来生物に指定されたナガエツルノゲイトウは、
栽培、保管、運搬、譲渡などが禁止されています。
2007年度から本格的に防除等の対策がとられているそうです。
しかしナガエツルノゲイトウは、駆除するのが大変難しいとされています。
というのは、わずか数センチの切れ端からでも、再生する力を持っているからです。
できるだけ迅速に、切れ端が残らないように丁寧に除去する必要があるのですが、
完全に駆除する方法はまだ確立されていないのが現状です。
⚠ ナガエツルノゲイトウを生きたまま運搬することは法律的に禁止されています。
完全に枯れた状態であれば対象外
運搬する途中、切れ端が落ちたりしたらそこから再生する可能性があります。
水草に分類されるナガエツルノゲイトウですが、乾燥にも強いのです。
しかし見た目は普通の雑草と見分けがつきませんので、一般人に注意喚起を徹底するのは難しそうです。
実際、釣り人が媒介している可能性も指摘されているようです。