日本大アメリカンフットボール部員が大麻を所持した疑いがあるとして、

警視庁は大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の疑いで同部の寮(東京都中野区)を家宅捜索しました。

日大アメフト 寮の家宅捜索

捜査関係者によると、寮で乾燥大麻と覚醒剤成分を含む錠剤が見つかったということです。

 

大学の、しかもスポーツ部の寮が薬物で汚染されていた可能性があるというのはショッキングな話です。

 

 

日大アメフト部といえば、5年前にも日本中が注目する事件がありました。

それが「悪質タックル」事件です。

 

悪質タックルというのはいつ誰が起こした事件で、どのような経緯をたどったのでしょうか?

詳しく調べてみました。

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日大アメフト部悪質タックル事件

日大アメフト部の悪質タックル事件が起こったのは、2018年のことです。

連日、ネットニュースやワイドショーを賑わせたので覚えてらっしゃる方も多いと思います。

 

事件は2018年5月6日に行われた日本大学と関西学院大学の定期戦で起こりました。

日大のDL(ディフェンスライン)のポジションを守っていた宮川泰介(みやがわ たいすけ)選手が、

関学大のQB(クオーターバック)の選手に対して、突然背後から強烈なタックルをしてけがを負わせたのです。

日大悪質タックル

最悪の場合は生命の危険まで有り得る悪質な行為でした。

タックルを受けた方の選手は幸いにもそこまでの大きな怪我はなかったのですが、足の痺れなどがあり全治3週間と診断されました。

 

しかしこれがメディアで取り上げられて、日本全土を揺るがすほどの大きなニュースになったのです。

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当事者は誰?

この悪質タックルを仕掛けたのは宮川泰介選手(当時20歳)なのですが、

宮川泰介さん20歳の画像

 

大きなニュースになったのは、宮川泰介選手がこの悪質タックルが日大の内田正人監督、井上奨コーチの2人の指示だったことを記者会見をして公表したからです。

 

一般人の学生でありながら顔と名前を公表する形で行われた異例とも言えるこの記者会見により、悪質タックル事件は社会問題に発展しました。

 

 

宮川選手は記者会見で、監督とコーチの指示に逆らうことができなかったという苦しい胸の内を明かしました。

 

 

加害者となってしまった宮川選手ですが、パワハラとも受け取れる指示があったことがわかると世間の同情が集まり、

被害者である関学大の選手もその父親も、宮川選手への厳しい処分はしないよう求めました。

 

日大アメフト部コーチと監督

左:井上奨コーチ、右:内田正人監督(いずれも当時)

 

「やらなきゃ意味ないよ」と念を押した監督

内田正人監督、井上奨コーチの2人の指示というのはどのようなものだったのでしょうか。

 

宮川選手が記者会見で話した内容

内田監督から「アメリカンフットボール大学世界選手権大会日本代表を辞退するように」と言われ、

「わかりました」と答える

  

練習を外される

  

井上コーチに呼ばれ

「監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、相手のクォーターバックを潰したら出してやると言われた。クォーターバックを潰しに行くので僕を使って下さいと言いに行け」

と言われる

  

内田監督に直接「相手のクォーターバックを潰しに行くので使って下さい」と伝える

  ↓

内田監督に「やらなきゃ意味ないよ」と言われる

  ↓

関西学院大学との試合の日 試合前の整列の時に井上コーチが近づいてきて

出来ませんでしたじゃすまされないぞ。わかってるな。

と念を押される

  ↓

タックルした後テントで泣いていると

井上コーチがやってきて

「優しすぎるところが駄目なんだ。相手に悪いと思ったんやろ」

と責められる

 

簡単に書くとこのような流れになりますが、宮川選手は精神的にかなり追い詰められていたようです。

 

相手選手にケガをさせるように指示するとは、スポーツの監督やコーチとして最低な行為ですね。

 

悪質タックル事件その後

宮川泰介選手

宮川選手は東京地検立川支部に傷害容疑で告訴されます。

しかし被害者である関西学院大学の選手と示談が成立していることなどから不起訴処分。

 

記者会見ではアメフトはもうしたくないと引退を示唆していましたが、

あのタックルは監督とコーチの指示によるものだったと発言したことにより世間がアメフトの復帰を後押し。

 

宮川選手本人も、「チームを立て直そうとしているチームメイトに対して、あまりにも無責任なんじゃないか」という思いから最終的にはチームに復帰。

 

2018年の公式戦不出場を受けて1部下位リーグに降格していたチームを上位リーグに引き上げて、大学のフットボール生活を終えていました。

 

 

2020年に大学を卒業し富士通に入社。

現在は富士通フロンティアーズの選手としてアメフトを頑張っています。

宮川泰介 富士通

内田監督

内田監督は関東学生アメリカンフットボール連盟が事実上の永久追放とも言える処分を下しアメフト界から姿を消すことになります。

 

さらに日本大学からは懲戒解雇処分とされてしまいます。

 

しかしその後行われた裁判で、無実であることが警察によって立証されました。

悪質タックルの指示がなかったと認定され、日大は解雇を撤回。

今は通常の退職という形で日大を離れています。

井上コーチ

井上コーチも同じく警察の取り調べにより無罪が確定。

内田監督に続き懲戒解雇の撤回が認められましたが、土木会社での人員を配置する仕事に転職。

 

今は日大に復職し、歯学部の中の学生課で仕事をしています。

まとめ

日大アメフト部の「悪質タックル事件」についてまとめてみました。

 

監督もコーチも無実ということになった

 

のはちょっと腑に落ちない話ですね…。

 

 

日大アメフト部はその後どうなったかというと、悪質タックルの事件後、下位のBIG8リーグ(2部リーグ)に降格したのですが、1年で1部リーグであるTOP8リーグに昇格。

 

昇格した2020年シーズンはリーグ優勝を飾りました。

 

事件の後は新入生も減ると思われましたが、見事に建て直しに成功していました。

 

その矢先に起こった今回の薬物事件。

悪質タックルとはまた違う、深刻な問題ですね。

 

こちらは真相究明までまだ時間がかかりそうですが、捜査の行方を見守りたいと思います。

 

追記

日大アメフト部の部員は麻薬特例法違反容疑などで立て続けに3人逮捕され、

部内で大麻が蔓延していた可能性が強まりました。

 

この事実を受けて2023年11月29日、日本大学はアメフト部を廃部にする方針を固めたとのことです。

 

 

 

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