2023年7月5日、ロンドン郊外のオールド・イングランド・クラブで、テニスのウィンブルドン選手権男子シングルスが行われました。
4大大会初出場の島袋将(しまぶくろ しょう・25歳=有沢製作所)の1回戦でアクシデントが発生。
ゲーム中に観客がコートに乱入し、
金色の紙吹雪のようなものやジグゾーパズルのようなものをまき散らし、試合は中断されました。
警備スタッフが迅速に対処し、コートへの被害はありませんでした。
この騒ぎで3人が逮捕されたそうです。
予期せぬ突然のアクシデントに、困惑する島袋将選手。
コートから引っ張り出される乱入者。
この迷惑な乱入者は何者で、何が目的なのでしょうか?
4大大会初出場の島袋将選手
ところで島袋将選手は早稲田大学卒。
大学を卒業してからプロに転向したという、大卒のプロテニスプレーヤー。
日本のトップ選手の多くはジュニアの頃から海外で練習を積むなどしているので、大学卒業後にプロとなり、グランドスラム(4大大会)の本戦に到達することは異例と言えます。
今回島袋将選手が予選を突破しグランドスラムの本戦の舞台にたどり着いたことは、日本の大学でプロを目指している選手にとって大きな道しるべになると言われています。
試合に突然の乱入者
そんな島袋選手の記念すべきグランドスラムデビュー戦に突然乱入してきた男女。
【日本人選手も被害に】テニスのウィンブルドン男子シングルス1回戦、島袋将の試合中に環境活動家が紙吹雪をまき散らしながらコートに乱入pic.twitter.com/Y9UFyI2gpw
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 6, 2023
紙吹雪を撒き散らした後、コートに座り込む男性。
会場は大ブーイングです。
乱入してきた男女は一体何者なのか?
乱入してきた男女の正体は?
彼らは環境活動家「ジャスト・ストップ・オイル」のメンバーの一員。
Tシャツの胸に大きく「JUST STOP OIL」と書いています。
環境活動家がなんでこんな事してるの?と思いますよね。
この団体が何を訴えているのかというと…。
ジャスト・ストップ・オイルとは
2022年2月14日に設立され、
市民的不服従と直接行動を通じ、
イギリス政府による化石燃料の使用、開発、生産の停止を確実にすることを目的とする。
(wikipediaより引用)
2022年2月に設立ということはまだ1年半弱の歴史のようです。
そしてここに書かれている「目的」なんですが、何だかよくわかりません。
要するに地球温暖化対策と環境保護がしたい。という事らしいです。
彼らは過激で目立つ行為をして人々の注目を集めているのですが、彼らがとっている手法で人の賛同を得られて目的が達せられるのかというと、個人的な意見ですが「到底無理」だとしか思えません。
むしろただ疎まれるだけで逆効果であるとしか思えないです。
これまでの活動
ジャスト・ストップ・オイルのこれまでの活動は、有名なところでは「ゴッホの“ひまわり”にトマトスープ事件」です。
2022年10月、ロンドンの美術館で展示中のゴッホの絵画「ひまわり」に缶入りのトマトスープを投げつけたのです。
ゴッホの絵画はガラスで覆われていたので、作品自体は無傷でしたがこの二人の若い活動家は逮捕されました。
その他サッカーのプレミアムリーグの試合の最中に乱入して、自分の首を結束バンドでゴールに結び付けて試合を中断させるという騒ぎもおこしています。
この若い男性も逮捕されています。
最近の活動としては7月2日(ウィンブルドンのコートに乱入する3日前)、陸上のダイヤモンドリーグのレース中に乱入し座り込み、ゴール前で一部選手が影響を受けるという、はた迷惑にもほどがあるパフォーマンスを行っています。
ネットの声
島袋将選手のグランドスラムデビュー戦で環境活動家が乱入した際に投稿されたコメントをまとめてみました。
●観客はもちろん、すべてをかけている選手に対して失礼極まります。
●このようなやり方では環境保護団体=危険な行動の集団にしかならないんだよね。
●元々スポンサーが付いた胡散臭い団体も多々ありますから、お金でも絡んでいるのでしょうかね。
●本当に環境を憂慮し世界を変えたいなら、もっとみんなが賛同できるようなやり方をするよね。
●こんな事をするスポンサー付きの環境活動家なら、そのスポンサーが困るような罰金を下すことも必要だろう。
●主義主張を訴えるのは自由だけど、違法行為をすれば何を訴えようと信憑性はなくなるし、ただの犯罪者・無法者になってしまう。
●こういう迷惑を顧みない強硬派は迷惑系活動家と表現したほうがいい。
●こういったエコテロリストがいたり、間違った方法をする人がいるから活動団体のほとんどが胡散臭いと思われる。
乱入者のスポンサーは誰?
今回騒ぎを起こしたジャスト・ストップ・オイルは利益団体で、寄付を通じて資金調達をしています。
その中で巨額な資金援助をしているのがアメリカの気候変動緊急基金(CEF)。
この気候変動緊急基金(CEF)は非営利団体なのですが、
「どう見ても違法行為に資金を提供しているようにしか見えない」
「なぜこの組織は非営利団体としての地位を維持できるのか?」
などと言われています。
ジャスト・ストップ・オイルがやっていることは、行為だけ見るとただの迷惑行為です。
地球温暖化対策や環境保護について人々にもっと真剣に考えてほしいということなら、まず共感を得ることから始まるのではないかと思います。
CEFの考えはよくわかりませんが、本気で環境保護を訴えたいのならまず人間の心理や人間関係の基本から考え直した方がいいのではないでしょうか?
そうじゃないと今のままではまるでCEFが、慈善団体を装ったテロ組織であるかのようです。
まとめ
せっかくのグランドスラムデビュー戦でしたが、とんだ珍客にプレーを邪魔された島袋将選手。
おまけに今回は降雨で試合が遅れたり中断したり、集中力をキープするのに苦労されたのではないでしょうか。
島袋選手は「自分らしいテニスが貫けなかった」
乱入者に関しては「最初は何が起こったか分からなかった。気持ちのいいことではない。」と話していました。
残念ながらグランドスラムデビュー戦は勝利で飾ることはできませんでした。
しかしグランドスラム本戦の切符を掴んだ時、大学テニスを引き合いに出し「早慶戦の方がきついです」と冗談を言った島袋選手。
後に続く人のためにも、大卒のプロテニスプレーヤーの底力をこれから見せつけて欲しいです。