6月18日、八雲町の国道5号線で家畜の豚を運んでいたトラックが高速バスと正面衝突した事故では、バスの乗客3人と双方の運転手のあわせて5人が死亡したほか、12人が重軽傷を負いました。
現場の状況やドライブレコーダーなどから、トラックはブレーキをかけずに対向車線をはみ出しバスに突っ込んだことがわかっています。
バスの運転手にとってはどうにも避けられなかった事故、ということですね。
トラックの運転手は65歳、バスの運転手は64歳。
ともに亡くなられてしまったので、詳しいことは状況から判断するしかありませんが、
事故の瞬間のトラックの運転手の状態が一番気になります。
ブレーキもかけずに対向車線をはみ出したというのは、通常ならあり得ないことです。
トラックの運転手は居眠りしていたか、または急病で意識を失っていたとしか思えません。
北海道バス事故の瞬間
事故当日はよく晴れていたようです。
時間も正午頃。
見通しは最高に良かったはずです。
しかしこの動画を見る限りでは、トラックは加速も減速もせず、バスに突っ込んでいます。
つまりトラックの運転手は、何も見えていない、つまり気絶していたか、眠っていたかのどちらかだと思います。
養豚トラック運転手の訴え
トラック運転手は勤続30年のベテラン。
トラック運転手が勤務する養豚会社「日本クリーンファーム」所長は取材に応じて謝罪するとともに、
運転手について「真面目で、特に問題はなかった。持病があったとは聞いていない。」と話していました。
ところが事故から10日経ち、トラック運転手が事故当日、会社に体調不良を訴えていたことが捜査関係者の取材で明らかになりました。
事故前日の17日頃から、同僚に「熱があり、体調が悪い」などと話していて、17日には風邪薬を服用していたとのこと。
ただ運転ができないほど調子が悪そうではなかったそうです。
親族に対しても体調に問題があることや、仕事に行くのが不安だという話をしていたらしいので、健康面でかなり不安定な状態だったことは間違いないようです。
風邪薬による眠気?
トラック運転手はもしかしたら事故当日の18日にも風邪薬を服用していて、それで運転中に眠気が襲ってきたということも考えられます。
よく知られているように、風邪薬には眠気を誘発する成分が含まれているからです。
ただ、風邪薬を飲むと皆が皆眠くなるわけではないし、眠気を誘発する成分を含まない風邪薬もあります。
運転手にとって、眠気はまさに命取り。
トラックの運転が仕事であり勤続30年のベテランなら、十分過ぎるほどわかっていることだと思います。
それにもし居眠り運転なら、バスにいきなり突っ込んだりする前に、蛇行運転をしているのではないでしょうか。
業務用のトラックなら、前後にドライブレコーダーを設置していると思うので、
もし運転の仕方がおかしければ、記録に残ると思うのですが…。
脳梗塞や心筋梗塞の可能性は?
居眠りではなく正常な運転が妨げられる要因として考えられるのは、
6月25日の報道によると、司法解剖の結果、トラック運転手の死因は全身を強く打ったことによる外傷性ショックだったことが判明。
司法解剖の結果、死因は運転中の心臓発作などではなく、
事故により全身を強く打ったことによる外傷性ショックだったことが判明。
ただ、事故の直接的な原因は分かっていない。
引用:毎日新聞 2023/6/25 05:00
しかしこの報道の書き方…ちょっと疑問が残りますね。
あれだけの激しい衝突事故だったのだから、
死因は?と言えばそりゃあ「外傷性ショック」になると思いますが…。
私たちが一番知りたいのはその事故に至る経緯なんですよね。
事故直前に心臓発作もしくは脳梗塞などの症状はなかったのか?
ということです。
この報道の書き方だと、あったのかもしれないと感じてしまいます。
まとめ
養豚トラック運転手はなぜバスに突っ込んだのか、依然として原因はわかっていません。
トラック運転手の梶谷誠さん(65歳)が勤務する会社では、65歳以上の従業員は1年ごとに契約を更新していて、梶谷さんも5月に契約を更新したばかりだったということです。
これまで大きな事故など起こしたことのないベテラン運転手。
事故を起こした時は、一体どんな状態だったのでしょうか。
本人は体調不良を訴えていたというのがなんともやるせない気持ちになります。
もしも当日大事を取って休んでいたら、このような悲惨な事故は起こっていませんでした。
体調不良を口に出すということは、かなり具合が悪かったのではないでしょうか。
トラックを所有する会社によると、事故を起こしたトラックは森町の事務所から七飯町の養豚場に向かいブタ30頭を積み込み、八雲町の加工場に運ぶ途中だったということなのですが
森町から七飯町までは約30kmで、七飯町から八雲町までは約67km。
最短だと約1時間半位で行ける距離なので、決して長距離ではないんですよね。
だからこそ、無理すれば大丈夫だと、思ったのかもしれません。
しかし、もしも心筋梗塞や脳梗塞などが原因で気を失っていたとしたら、しかも初めてだった場合は予測不可能ですから、どうしようもなかったということになります。
誰もが他人事ではない交通事故。
悲しいことですが避けようがないこともあります。
ほんの数秒違っていたら、少なくとも衝突はしなかったと思うのに、運命は残酷です。
亡くなられた5人の方々のご冥福を心より祈りたいと思います。