2023年5月25日、長野県で4人が立て続けに殺害された痛ましい事件。
自宅に立てこもっていた犯人は説得に応じて投降し、逮捕されました。
逮捕されたのは長野県中野市議会議長の青木正道氏の長男、青木政憲容疑者(31歳)。
長男が逮捕された日、父親である青木正道氏は議員辞職願を提出し、受理されました。
理由は「一身上の都合」ということですが、実の息子が市民を4人もナイフや銃で殺害するという日本中を震撼させるような殺人事件を起こしたのですから、当然といえば当然かもしれません。
成人した息子が起こした事件とはいえ、親として責任を感じるでしょうし、実際に今、親として社会人として、奈落の底に突き落とされたような気分だと思います。
今回亡くなった4人の方々のご遺族も、突然身内に降り掛かったあまりにも不幸で悲惨な出来事に、まだ信じられないような気持ちでいらっしゃるのではないでしょうか。
本当におつらい事と思います。
青木政憲容疑者は一体なぜこんな凄惨な事件を起こしてしまったのでしょうか?
長野立てこもり事件 犯行理由が不可解
迷彩服に身を包み、
散歩中だった二人の初老の女性をサバイバルナイフで殺害。
駆けつけた二人の警察官も銃で殺害。
四人を襲撃し殺害したのは、わずか10分ほどの間だったということです。
逮捕後、青木政憲は女性殺害の理由として
「悪口を言われたと思い殺した」と言い、
警察官殺害の理由については
「射殺されると思い撃った」と言っているらしいのですが…。
とても納得できるような理由ではありません。
31歳のいい歳をした大人の男性が
60代や70代の初老の女性に悪口を言われたからといって、それが殺人にまで結びつくものでしょうか?
とってつけたような幼稚で身勝手な理由です。
警察官に対しても、パトカーの中にいる状態の二人を窓から撃っているし、
目撃者によると「ニヤッと笑っているような顔で撃っていた」ということです。
むしろ積極的に撃っているとしか思えないので「射殺されると思ったから撃った」というのは、後から考えたような不自然な理由です。
長野立てこもり事件 本当の動機は?
青木政憲容疑者がこの事件を起こしたのは「本当の動機」というものがあり、
それを警察が公表していないと言っている方もいます。
(5:35頃~)
身柄拘束されて長野県警で取り調べを受けていますが、
今の状況からすると、取り調べには素直に応じている。
また、この犯行については認めているということなんですけども、
動機については、どうやら本人はしゃべっているようなんですが、
警察の方が会見では、ちょっと動機については差し控えると。
「捜査に支障があると困るので」というような言い方をしているので、
とんでもないことを言い出しているのかどうかわかりませんけども、
本人は動機ということで何かは伝えている、話しているようです。
警察が公表していない動機があるとしたら、
それは一体何なのでしょうか?
メディアでは凶行の理由について、
「悪口を言われたから」としか報道していませんが、
何か他に本当の動機というものがあるのでしょうか?
犯罪心理学者の出口保行氏は、
犯行動機は「 両親を苦しめるため」だと発言しています。
「容疑者は両親を苦しめるため、犯行に及んだのではないでしょうか。
知らない人ばかりを襲った一方、人質にとった母親を逃がしている。
通り魔のような無差別な犯行は、社会に大きな衝撃を与える。
両親に重い十字架を背負わせ、苦しめることが目的だったのでは。
家族の誰にも手を出していないことから、そこに意味があったのだと推測します」
(:週刊女性PRIMEより引用 )
「両親を苦しめるために殺人事件を起こした。」
そんな恐ろしい動機だったのでしょうか!?
しかしもし本当に、それが本当の動機だったら…
警察は公表しないでしょうね。
そんな事がメディアを通じて日本全国に知れ渡ったら、
犯人の両親はもう生きていけなくなってしまいます。
青木政憲の両親は毒親だったのか?
青木容疑者は31歳という年齢で立派な大人なのだから、
もう親は関係がないという意見もあります。
確かに法的な責任はありません。
しかし道徳的な責任は負わされるかもしれません。
大学を中退して実家に戻ってきた息子。
親は心配して自衛隊に入隊させたり、家業の農業を手伝わせたり、ジェラート店を任せたり、熱心にサポートしていたようです。
それを「過保護」という人もいますが、
親としては引きこもりがちな息子を心配して、叱咤激励していたつもりなのではないでしょうか。
ただ、果樹園に「マサノリ園」と息子の名前をつけたり、ジェラート店を任せたりするということに関して、本人の意向をどれだけ尊重していたのかが気になるところです。
本人が望んだことでないのなら、ただの押しつけでしかないからです。
ところで巷でよく話題になる「毒親」というのは、
広い意味では「子どもに悪影響を与える親」ということで、毒親の中にも様々なタイプがあります。
子どもを管理したり支配したり、「あなたのため」と押し付けたり、必要以上に世話を焼くのも毒親。
子を抑圧し、罪悪感を植え付けたり、大人になっても就職や進路に口を出すのも毒親ということになるようです。
そういう意味では青木政憲容疑者の親も、
見方によっては毒親というものに近い位置にいることになるのかもしれません。
とはいえ一緒に暮らす息子が定職につかず毎日浮かない顔をしていたら、
地元の名士で財力もある親としてはとりあえず手助けしながら見守り、息子が発奮するのを待ち望んでいた、ということかもしれず、そう思うと同情の念を禁じえません。
しかし結局家庭の中の内情は、他人には窺い知れないこと。
息子にしか知り得ない不条理な抑圧や苦しみがあったのかもしれないし、
はたまた親が愛情深く節度を持って接していたにもかかわらず、息子は精神を病んでいて徐々に悪化していき、突然最悪な形で爆発してしまった…ということも考えられます。
最悪な事態が起こった後から言っても仕方ないことですが…
今回の惨劇の犯人となった青木容疑者の普段の画像は、「目が死んでいる」とネット上で指摘されています。
近所の人々の証言でも、
「小学生の頃は活発でハキハキと明るく話す元気な子だったけど、今は家から出ない感じ」
「人が家に来ても挨拶ひとつしない」
「妹の結婚を祝う自宅でのパーティーに出席しなかった」
などと、心配になる案件がてんこ盛り。
大体この息子、大学中退して実家に戻ってから、
楽しく笑ったりすることがただの1回でもあったのだろうか?
笑いがないのは危険信号だと思います。
なまじっか父親が地域の有力者で財力も豊かだったため、後継ぎという立場でいれば何もしなくても生きていける。
そんな生ぬるい環境が逆に青木容疑者の人生を狂わせてしまったのでしょうか。
両親も家業を手伝わせているような体裁を整えるだけではなく、
息子が充実した楽しい人生を送られるべく本人と向き合って話をし、場合によっては心療内科などに連れて行くなどしていたら、この最悪な惨劇は起こらなかったのかもしれないと思うと残念です。