オタク」という言葉が認知されて久しく、今や世界でも日本文化の一つとして紹介されているようです。

オタク

 

オタクと一口に言っても、その意味するところは時代とともに少しずつ変化しているようで、かつては偏見や差別の色合いが濃かったオタクという言葉も、令和の現在はオタク文化が世界に受け入れられていることもあり、かなりポジティブで親しまれやすいものになっているようです。

 

ところでネット上でよく見られていた「◯◯は俺の嫁」という言葉は、男性のオタクの人たちがアニメキャラへの愛を『結婚したい位大好き』と表現しているということで、なんとなく男性の子供っぽさと純粋さ、あとちょっとした滑稽さも感じられて私は勝手に微笑ましく思っていたのですが、それはあくまでも冗談だという認識の上だったのですが…。

 

ここにきて「フィクトセクシュアル」なる言葉を知って、決して冗談ではない(人も中には居る)という事実を知りました。

 

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フィクトセクシュアルという新しい言葉

耳慣れない言葉ですが、フィクトセクシュアルとは架空の人物(例えば漫画やアニメのキャラクターなど)に性的に惹かれるという性的志向のことだそうです。

 

なるほど、そう言えば私も中学生くらいの時に、手塚治虫の「ブラック・ジャックに恋したことがありました。

ブラックジャック

クールで有能なモグリの医者というキャラに痺れました。

でもその恋心は、漫画の中であるシーンを見たことでドン引きして一気に冷めてしまうことに。

 

そのシーンとは…あろうことかブラック・ジャックが朝、便器にしゃがみ込んでお尻を出し、用を足しているシーンです。

 

ほんの一コマなんですが…手塚治虫先生はなぜそんなシーンをお描きになられたのでしょうか…。ストーリーに関係ないのに!

 

おそらく手塚先生はちょっとした遊び心のつもりだったのでしょう。

 

しかしそんな姿を見せられて、ブラック・ジャックに幻滅せざるを得なかった私のショックと悲しみ。

 

今思えば自分は本当に子供だったんだなあ~と思いますけどね。はるか遠い日の思い出。

 

 

しかし、私のそんな淡い恋心はフィクトセクシャルとは言わないようです。

 

フィクトセクシャルとはもっとずっとガチなもののようなのです。

 

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フィクトセクシュアルで結婚式を挙げた人

過去の私のように、架空の人物に憧れて恋心を抱くのはフィクトロマンティックというそうです。

 

片やフィクトセクシュアルというのは架空の人物に性的魅力を感じているセクシュアリティということで、恋心を感じるフィクトロマンティックとは区別されているらしいのですが、この二つの差って線引きが難しいような気がするのでわざわざ区別する意味があるのか疑問だし、そもそもの話、こうして名前をつけたりラベリングしたりする必要があるのか…?よくわからないのですが、

 

なんと、架空の人物と結婚式を挙げた豪傑がいらっしゃるとのこと!

 

東京近郊に暮らす地方公務員の近藤顕彦さん(39歳)。

音声合成ソフト「ボーカロイド」のキャラクターとして有名な「初音ミク」と結婚式を挙げる。

初音ミク

 

フィクトセクシュアル 結婚式

結婚式を挙げたのは2018年11月。

初音ミクの「ミク」にちなんで、39人の参列者が見守る中、真っ白なタキシードを着て初音ミク(のぬいぐるみ)を抱いて幸せそうな笑顔の近藤さん。

長ネギを持っているのは初音ミクの好物だからとか…。

 

このことは大きな話題を呼び、「ニューヨーク・タイムズ」にも取材されたそうです。

 

そして5年経った今も、幸せに暮らしていらっしゃるとのこと。

初音ミクとツーショット

 

頭が混乱してしまうのは、私が時代についていけてないからでしょうか?

 

いや、近藤さんメッチャ幸せそうな笑顔だし、近藤さんの幸せを邪魔するつもりは1ミリもないのですが…。

 

初音ミクは架空の人物なので、結婚といっても公的に認められることはあり得ないわけで、だとしたらこの結婚は結婚とは言えないのでは…?

 

フィクトセクシュアルは一方通行の愛?

 

フィクトセクシュアルというと、実際に架空の人物と結婚式を挙げてメディアに報道された近藤さんが有名なようですが、

 

近年フィクトセクシュアルをカミングアウトする人が増加していて、キャラとの婚姻届を受け付ける民間サービスや、キャラとの結婚式を積極的に受け入れる結婚式場も出てきているようです。

 

フィクトセクシュアルの定義は「架空の人物に性的魅力を感じるセクシュアリティ」。

その事自体は本人の自由であると思いますが、カミングアウトしたり結婚式を挙げたりする必要は無いような気がするのですが…。

 

なぜなら愛する対象が架空の人物である限り、当事者にとっていかに大切な存在であろうともこの世に実在していないというわけで、当事者以外は関係を持ちようが無いからです。

 

世の中の人はどう感じているのでしょうか?

 

ネットの声

 

 

 

 

 

まとめ

様々な意見があるようですがフィクトセクシュアルとはつまるところごく少数派の愛の形

 

物言わぬ対象に一方的に愛情を捧げ続けるなんてなかなかできることではないと思います。

何かのきっかけで一時期できたとしても、一過性で終わってしまうパターンが多いのではないでしょうか。

人間もそれを取り巻く環境も常に変化するものだからです。

 

愛という感情である限り他人が無闇に否定するべきものではないとは思いますが、少数派で、しかも儚いものを、メディアが大々的に取り上げるのは混乱のもとではないかという気がします。

 

 

架空の人物を愛するあまり結婚式を挙げるというのは、ご本人としては変わらぬ愛を誓うという神聖な行為なのでしょう。

それを否定するつもりはありません。

 

ただ、当人以外の人にとってはまぼろしというか、相手の存在は無いに等しいわけなので、その愛を認めて祝福するというのは難しいという事もまた真実だと思います。

 

架空の人物というものは生命もなければ心もありません。

架空の人物への愛は、あくまでも当人の心の中という閉じられた世界の中にあるもので、現実の世界においては他人はもちろんのこと、当人ですらコミュニケーション不可能なものだからです。

 

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