大手コンビニのファミリーマートは、2022年10月4日から全国の店舗でプラスティック製フォークの提供を原則的に取りやめることを明らかにした。
フォーク希望者には、フォークの代わりに竹箸を提供する。
コンビニでフォークがもらえない?なんで?
このニュースを聞いて、ふと思い当たることがありました。
私が勤める会社の社内コンビニ(どこの系列店かは不明)で、ここ最近プラスティック製フォークが姿を消しました。
自分で会計を済ませる無人レジなので、レジ付近にスプーンや割り箸などをまとめて置いてある場所があり自由に持っていけるようになっているんだけど、いくら探してもフォークが無い。
私はカップラーメンは割り箸じゃなくてプラのフォークで食べたい派なんですよね。
なんかその方が楽しく美味しい気がするので。
なので最初の頃はフォークを探しつつ、『たまたま欠品してるのかな?』と思い仕方なく代わりに割り箸を選んで使っていました。
しかし社内コンビニはその後もずっとフォークが無い状態が続いているので、これは「たまたま欠品」というわけではないのかも…。
そう思っていた矢先の、このニュースでした。
調べてみたらやっぱり、世の中でそういう流れが起こっているんですね。
コンビニでフォークがもらえないというのはごく小さな問題のようでありながら、実は私たちの暮らし方や社会のあり方に大きく関わりのある問題とつながっていくようです。
今回はこのことについてまとめてみました。
目次
なぜフォークがもらえなくなるの?
結論から言うと、新しい法律ができたからです。
その名も「プラスティック資源循環促進法」。
「プラスチック資源循環促進法」とは、プラスチックの資源循環を促進し、プラスチックごみを減らすことで持続可能な社会を実現することを目的とした法律です。2021年6月に国会で可決し、2022年4月から施行予定となっています。
事業者に求められること4つ
- プラスチック使用製品の設計は国の指針に従って行うこと
- プラスチック使用製品の無償配布について、プラスチックごみの増加につながらないよう工夫をすること
- 製造・販売したプラスチック使用製品の自主回収や再資源化を行うこと
- 事業でプラスチックごみを出さないようにするための措置を行うこと
事業者はプラスティック製品を減らす努力をしなければいけないという事なんですね。
だからファミマはプラスティック製フォーク廃止という、思い切った決定を下したようです。
そういえば、レジ袋が有料化されて2年以上が経ちました。
レジ袋有料化も環境保護を目的として政府が促進し実施されたようなので、今回の法律はその発展版と考えたらいいのでしょうか。
ファミマ以外のコンビニはどうなるのか
ファミマ以外のコンビニも、フォーク廃止の道をたどるのでしょうか?
調べてみましたが今の時点では、大手コンビニ各社に目立った動きはないようです。
ただ、プラスティック製のフォークやスプーンの「有料化」の話はあるようです。
今後は廃止という方向と、有料化となる可能性があるんですね。
しかし今のところ有料化は各社見送りで、スプーンやフォークの持ち手に穴をあけて長さを短くしたり(ローソン)、植物由来の素材を30%混ぜたり(セブン-イレブン)、涙ぐましいとも言えるような努力をしているようです。
有料化なんてしたら、お客の反感を買うのは明らかだし、今まで無償で提供していた物を商品化するってことになると色々と面倒でしょうからね…。
とはいえ有料化しないために工夫をこらすとそれなりにコストがかかるし、結局事業者の負担が増えているという状況に今なっているんですよね。
マイフォーク、マイスプーン持参のライフスタイルが理想?
コンビニでスプーン有料化検討、小泉環境相「自分で持ち歩く人が増える」2021/03/09 14:26
政府は9日、事業者にプラスチック製品の削減を義務づけるプラスチック資源循環促進法案を閣議決定した。今国会に提出し、2022年4月の施行を目指す。環境省は成立後、省令でコンビニエンスストアのプラ製スプーンや飲食店のストローの有料化などを検討している。
小泉環境相は新法案について「コンビニでスプーンなどが有料化されれば、自分でスプーンを持ち歩く人が増えていく。こうしたことでライフスタイルを変化させていきたい」と述べた。
小泉環境相は有料化ありきで語っているようですが…。
「そうなると自分でスプーンを持ち歩く人が増えていく」って。
いや、それはないと私は思いますけど。
確かに十数年、マイ箸ブームというのはありました。
「割り箸は森林伐採による環境破壊につながるから自分専用の箸を持ち歩こう」
という話で、当時は割り箸が悪者扱いされていたような記憶があります。
しかしあの当時ですら、本当にマイ箸を持ち歩いていた人がどれほどいたのだろうか?って思います。
そりゃ、お弁当を自分でつくる人はお弁当に自分の箸も一緒に付けるでしょうけど、わざわざ箸のみを持ち歩く人がたくさんいたとは思えません。
今現在も、そんな人はほとんどいないと思います。
もちろん、箸自体は日本の伝統であり文化であり、守るべき素晴らしいものではありますが。
それとは別に、マイバッグというのは確かに今普及していて、持ち歩いている人は多いですね。
レジ袋が有料化になってしまって以降、いちいちレジ袋に3円とか5円とか払うのはなんだか損したような気分になるし納得できないので、私も大きめの軽い布バッグをいつも持ってます。
ですが、スプーンやフォークを持ち歩くか?となると、話は全然違ってきますよね。
特にコンビニというのは気軽に立ち寄る場所だし、食品を買う場合は行ってから何を食べるかを決めるのが楽しいんですよね。
レジでもらうスプーンやフォークや箸というのがまた、「おまけ」っぽくていいじゃないですか。
それが有料化されるのは残念だし、そうなったからといって人がみな自分でスプーンやフォークを準備して持ち歩くかっていうと、それは違うと思います。
なぜって…なんだか、馬鹿馬鹿しいですよね。
人にとって、「食」は大切ですがそれがすべてではないので。
子供じゃあるまいしいい大人が普段からスプーンやフォークを持ち歩くというのは、ちょっと想像し難いです。
小泉環境相は、国民に対してそんなライフスタイルを推奨されているようですが、国民としてはちょっとご勘弁頂きたいですね。
まとめ
法案は有効なのか
政府の新たな法案により、事業者がプラスティック製品の削減を義務付けられてそれに従うべく奮闘努力していることがわかりました。
コンビニは今や私たちの暮らしに欠かすことのできない、便利でありがたい存在です。
だからこそレジ袋に続きフォークやスプーンまで有料になったり、廃止になったりしてほしくないし、経営者の方にはできれば回避する方向で判断していただきたいと個人的には思います。
政府としては環境保護の一環として法案を打ち出しているようなのですが、それがどれだけ有効なのかという根本的な疑問もあります。
プラスティック袋の使用量自体は減っていない
レジ袋は有料になりマイバッグを持つ人は増えましたが、プラスティック袋の使用量自体は減っていないようです。
なぜなら、プラスティック使用量全体に占めるレジ袋の割合は2%と低いからであり、かつレジ袋をもらわなくなった人は、それまでレジ袋でまかなっていたゴミ袋をお金を出して買っているからです。
エコバッグの方が環境負荷が高い
プラスティック製のレジ袋に比べると、布やコットン製のエコバッグは製造過程での環境負荷が高いと言います。
以上のことから、レジ袋有料化は実質的にはあまり意味がないのでは?という意見が出てきているようです。
理想のライフスタイルとは
レジ袋有料化にしても、スプーンやフォーク有料化にしても、政府が推し進めるのは「消費者のライフスタイルの変革」だとも言われています。
限りある資源を大切に、無駄にエネルギーを消費しない。
それを意識して暮らしていくべきなのはわかりますが、ある程度のおおらかさも必要だと思いますがどうなんでしょうね?
今さらですが大きな目で見て実質的な効果がさほどないのであれば、事業者や消費者の負担になるだけのレジ袋有料化の流れは、環境保護の観点から見て成功したと言えるのだろうか?と個人的には思います。
人間だって環境の一部ですからね。
心地よい暮らしをしたいし、負担は軽い方がありがたいです。
結局理想のライフスタイルとは、あまり難しく考えるものではなく、自分も周囲の人も心地よく暮らせるように配慮するということに尽きますよね。
コンビニのフォークはなくならないでほしいです。
パスタやケーキを買った時(私の場合カップラーメンを買った時)、フォークがないと残念な気分になってしまいます。
願わくば、有料にもなりませんように。