ここ数年、アメリカやヨーロッパを中心にプラスティック製ストロー廃止の動きが急速に広まりました。
それを受けて日本マクドナルドは2022年10月7日から、全国の店舗でプラスティック製のストローの利用を原則として取りやめ、紙ストローを導入することを決めたそうです。
しかしこの紙ストロー、すでに多くの企業が採用しているので遭遇した人は多いのですが、すこぶる評判が悪い。
紙ストローを使用すると「飲み物の味がまずくなる」というのが主な理由のようですが、そのほかに「口にひっついて不快」「時間が経つとふやける」という意見もあるようです。
これだけで紙ストローのポンコツさが伝わってくるようですが…。
特に「味が不味くなる」なんて最悪じゃないですか?
なぜそんなものを世界の企業が次々に導入するのか?
「脱プラスチック」という地球環境保護のためのスローガンに重きを置いてのことなのでしょうが、顧客満足に反することになるんだったら企業として望むところではないのでは?
なんだかよくわからないことが多い、紙ストロー大不評問題をあらためてまとめてみました。
目次
企業が紙ストローを導入する理由
・環境保護に貢献できる
エコ容器を導入してプラスチックを削減できれば、海洋ごみを減らしたり、ごみ処理の負担緩和につながったりとさまざまな面で環境保護に貢献できる。
・企業イメージを向上させられる
環境に配慮した企業は消費者に良い印象を与えられる。
エコ容器へ移行する際にコストがかかることもあるが、この取り組みが広告となって集客効果や大きな収益につながることも少なくない。
・経営リスクを回避できる
環境に無配慮な経営をしていては、社会からの信用を失ったり、ビジネスパートナーを失ったりと、経営リスクを抱えることになる。
以上が「企業が紙ストローを導入する理由」らしいです。
環境保護に貢献する優良企業のイメージ作りを重要視している、ということでしょうか。
しかし優良企業だと思われるために提供するサービスを変えて、それが顧客に不評だったとしたら大きな損失になるのでは?
紙ストローはぶっちゃけ不味い
人間が「美味しい」と思う満足感というものは、舌で感じる味覚だけではなく、嗅覚、触覚、視覚なども含めた総合感覚により得られるものなんですよね。
紙ストローに関しては
・ほぼ無臭のプラスチックストローに比べて紙の匂いが強い。(嗅覚)
・口に触れた時、乾いた紙が唇にひっつく。(触覚)
・紙の継ぎ目からコーヒーが滲み出たりふやけたりして見た目が汚い。(視覚)
というネガティブな意見が出ているようです。
人間の感覚って、かなり繊細にできているもののようで、
たとえばジョッキに注ぐとビールが美味しくなったり、コーラもペットボトルよりも缶や瓶のほうが美味しいような気がするという話はよく聞きます。
目で見たり、手で触れた感じとか、あと容れ物が醸し出す雰囲気なども合わさって気分が変わったり、そんな要素も「美味しさ」の中に含まれているのかもしれません。
トータルとしての満足感が美味しさにつながるということですね。
紙ストローはその満足感を損なうツールになっているのではないか?と思うのですが、どうなんでしょうか。
不評の声続々
・紙ストロー、意外とちゃんと飲めるぜ!!みたいなこと言われて技術で頑張ったんかなぁと思って飲んだらミニサイズのトイレットペーパーの芯みたいで「考えたやつもいけるって言ったやつも味覚大丈夫か?」になった
・紙ストローつけるくらいなら何もいらんからそのままくれ。どうせ使わないし紙の無駄。
・ていうか紙コップが不快感ないし耐水なのに、同じ加工をストローに出来ないとは思えないんだけど。紙ストローにするなら使用感どうにかしてくださいよ本当に。
・ミスド、一瞬導入した紙ストローを二週間くらいでやめてくれたので信頼度が大きく増した
・紙ストロー、数年前までの『森や自然を大切にしよう!!紙はあまり使わないようにしよう!!』ってムーブメントを目の当たりにしている身としては 紙ストロー自体の実用性とか度外視で納得できないというか、紙の無駄遣いもいいところだし、湿気に弱いからってプラスチックで個包装してる本末転倒だし
・紙ストロー、導入する過程での会議で「これはドリンクの味を損ないませんか?」って意見は出なかったのか??といつも思う
・紙ストロー、完全に偽善を食べている味がするので嫌い
・あのマズさで自分を痛めつけてるからきっと環境にいいことをしてるに違いないと悦にいるための味でしょ、紙ストロー
・紙ストロー咥えた瞬間の不快感すごいよな 折り紙食べてた小学生時代思い出す
・レジ袋有料化と紙ストロー、「万物の霊長たる人間が何故こんな苦痛を…」って気持ちになれる
ツイッターより引用
マイストローを持ち歩く?
紙ストローが「まずい」と感じる人はマイストローを持ち歩けばよい、という意見もあります。
確かに今、さまざまな材質、サイズ、機能性のストローが安いものは100円ショップで入手できるようです。
しかし…自分でわざわざストローを購入して持ち歩くなんて、そこまで消費者が負担を負うのも変ですよね。
ファーストフード店というのは注文してからすぐ食べられる手軽さと便利さというのが多くの人に重宝され、利用されている理由だと思うんですけど。
まとめ
紙ストローが大不評の理由は、とにかく飲み物の味が不味くなる。
これが一番の理由ですね。
食品を提供する企業において、顧客に「不味い」と言われるのは致命的な問題なのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか?
それに加えて紙ストローの導入が環境保護のため、というのも今ひとつ納得できません。
企業がプラごみを減らす方向で努力しているのは理解できますが、顧客満足という最重要課題はどうなるのかと思います。
顧客が不快を感じるような取り組みなら、それは企業にとっては「失敗」と言えるのではないでしょうか?
それと、前述の「不評の声続々」でもありましたが、少し前は「森林を守るために紙を大切にしよう」というムーブメントがありました。
紙ストローは紙の無駄遣いにはならないんだろうか?と消費者が思うのは当然だと思うし、そもそも脱プラを謳うのならなぜストローみたいな小さな物が排除されて、ペットボトルとか、食品トレーとか、もっと大きなプラスティック製の製品は見過ごされているのでしょうか?
脱プラの一環で法律が変わり、レジ袋が有料化されて早くも2年が過ぎました。
消費者にとっても店側にとっても不便になり、負担を負うことになりましたが、このレジ袋有料化による環境への影響はないに等しいとも言われています。
レジ袋を削減しても、プラスティック製ゴミ袋をお金を出して購入する人は一定数いて、結局プラスティック製ゴミ袋のの需要は減らないからです。
しかし消費者として疑問を感じても、レジ袋は有料というのが世の中の常識になってしまったので、その流れに逆らうことはできませんよね。
紙ストロー大不評の理由には、味が不味くなることに加えて、消費者のそんな潜在的な疑問や不満もあるからではないか?と思いました。