
京都府亀岡市で、ちょっと信じられない不祥事が起きました。
マイナンバーカード事務を担当していた職員4人が、なんと自分自身のマイナンバーカードについて不適切な申請を行い、懲戒処分を受けたのです。
しかも中身がなかなか衝撃的です。
主導したとされる36歳の男性主任は、スマホアプリで加工した自分の顔写真を使用。
女性職員3人も、申請後に「カードが発見された」という事実と異なる理由で取り下げていたと報じられています。
市はこの一連の行為を「悪質」と判断しました。
ここで誰もが気になるのが、「いったい何のために、そんなことをしたのか?」という疑問ではないでしょうか。
職員側の説明はこうです。
マイナ免許証との連携がシステム上どう表示されるかを確認する「実証実験」だった、と。
そして加工写真については、男性主任が「悪ふざけだった」と話しているといいます。
でも、ちょっと待ってください。
マイナンバーカードを扱う職員4人がそろって、上司にも相談せず不適切な申請をする。
しかも顔写真を加工し、取り下げ時には事実と異なる理由まで使っていた――。
この流れを見ると、「本当にそれだけなのか?」と引っかかる人は多いはずです。
もちろん、4人が別の不正を企んでいたという事実は確認されていません。
では、公表されている事実だけから、どこまで考えられるのでしょうか。
ここから、事実と推測を分けながら今回の不可解な点を整理していきましょう。
目次
亀岡市職員4人はマイナカードで何をした?
まず確認したいのは、職員4人が実際に何をしたのかという点です。
問題となったのは、亀岡市の市民課でマイナンバーカード事務を担当していた職員4人。
2025年9月、4人はすでにマイナンバーカードを持っているのに、マイナ免許証の機能があるカードなどの交付申請をしたのです。
主導したとされる36歳の男性主任は、スマホアプリで加工・改変した自身の顔写真を申請に使用。
女性職員3人については、その後申請を取り下げていますが、取り下げ理由は「カードが発見された」というもの。
つまり「紛失による再発行」という体で再発行申請をしていたのだと思われます。
男性主任(36歳)については、申請を取り下げたという記述は報道には一切ありません。
しかしカードが実際に発行・交付されたかどうかについては、どの報道も触れていません。
申請した事実までは確認されていますが、交付まで至ったのか、途中で止まったのかは不明です。
2026年6月に上司が不審に思って調査したことで発覚し、8月25日に処分が発表されました。
つまり、単に「操作方法をちょっと試してみた」という話ではありません。
正式な交付申請という形を取り、加工写真を使用したケースがあり、さらに事実と異なる理由で取り下げまで行っていた。
そして何より大きいのが、これをやったのが制度をよく知る担当職員だったというところです。
一般の利用者には正確な手続きを求める立場の人たちが、自分たちは無断で制度を使って試していた。
市が信頼を損なう行為として重く見たのも当然と言えそうです。
「実証実験」が目的だったという説明は本当?
ここで最初に引っかかるのが、職員側が説明した「実証実験」という目的です。
マイナ免許証の連携がシステムにどう表示されるのかを確認したかった、とされています。
業務を担当していれば、「実際に操作したらどう表示されるのだろう」という疑問を持つこと自体は理解できます。
むしろ担当者だからこそ、システムの挙動を知りたい場面はあるでしょう。
ただ、そうだとしたら大きな疑問が残ります。
なぜ上司へ相談しなかったのでしょうか。
業務上必要な検証であれば、「こういう確認をしたい」と上司へ相談し、正式な手順や方法で実施するでしょう。
ましてマイナンバーカードは本人確認に関わる重要な制度。
担当職員が勝手に申請して確認するような話ではありません。
さらに4人で行っていることも引っかかります。
1人の職員が好奇心から勝手に操作したのであれば、個人の暴走としてまだ話は分かりやすい。
今回は複数人が関わっています。
だからといって「組織的な犯罪を企てていた」と飛躍することはできません。
ただ少なくとも、4人の間で「これをやってみよう」という認識が共有されていた可能性は考えられます。
「実証実験」という説明そのものが虚偽だったと確認されたわけではありません。
ただ、本当に業務目的だったとしても、そのやり方があまりに正式な検証から外れている。
ここが、どうしてもモヤモヤするところなんですよね。
なぜ加工した顔写真で申請したのか
今回、特に不可解なのが加工した顔写真。
主導した男性主任は、自分の顔写真をスマホアプリで加工して使用したとされています。
そして、その理由を「悪ふざけだった」と説明しています。
……いや、なぜそこで悪ふざけを?
そう思ってしまいますよね。
そもそもの目的が「マイナ免許証の連携がシステムにどう表示されるか確認すること」なら、普通の顔写真を使えばいいはずです。
システムの表示確認と、顔写真を加工することがどうつながるのかが見えません。
ここから考えられる一つの可能性は、「本人確認の審査がどこまで甘いか」「加工写真でも通るのか」を試してみたということです。
「実証実験」という言葉を使いながら、実際はシステムの脆弱性や運用の甘さを内部で確認した、という線です。
もう一つ考えられるのは、本人の説明通り、本当に単なる悪ふざけや退屈しのぎだったケースです。
でも、それならそれで別の怖さがあります。
36歳の主任という立場で、しかもマイナンバーカード事務の担当者。
取り扱いの重要性を一般市民より理解しているはずの人が、マイナンバーカードを遊びの延長で扱ったことになるからです。
何か裏の目的があったとしても問題だし、本当に「悪ふざけ」だけだったとしても十分に問題。
虚偽の理由で取り下げたのはなぜ?
もう一つ気になるのが、女性職員3人による申請の取り下げです。
報道によると、3人は申請後に「カードが発見された」という理由で取り下げました。
「カードが発見された」という取り下げ理由は、通常「紛失したので再発行申請をした」時のケースで使われるものです。
なので女性職員3人は、カードの紛失届を出した上で再発行申請をしたのでしょう。
ここでも素朴な疑問が出ます。
本当に「業務上の実証実験」なら、なぜ正直に「検証のために申請した」と説明しなかったのでしょうか。
もちろん、事実と異なる理由を入力した具体的な意図までは明らかになっていません。
そのため、「不正を隠そうとした」と断定することはできません。
ただ、少なくとも正式な手続きを堂々と行っていたわけではないことは伝わってきます。
もしかすると本人たちの中では、「実際にカードを手に入れるつもりではない」「途中で取り下げれば問題ない」という軽い認識だったのかもしれません。
しかし、それなら最初から正式な検証方法を相談すればよかった話です。
今回、多くの人が引っかかるのは、行為そのもの以上に、説明と実際の行動がきれいにつながらないことなのだと思います。
職員4人は本当は何を企んでいたのか?
では結局、4人は一体何を企んでいたのでしょうか。
現時点で、金銭目的の不正や、なりすまし、カードの悪用などを企てていたと示す情報はありません。
そこまで話を膨らませるのは危険でしょう。
そのうえで、確認されている行動だけから考えるなら、比較的つながりやすいのは、「担当者としてシステムの挙動を実際に試してみたいという好奇心があり、職場内のノリも加わって、正式な許可を取らずに境界線を越えてしまった」という可能性です。
最初はマイナ免許証の表示確認だった。
せっかくだから実際に申請してみよう。
加工写真も試してみよう。
終わったら申請を取り下げればいい。
そんな具合に、「自分たちは仕組みを分かっているから大丈夫」という感覚があったとすれば、一連の行動にはある程度つながりが生まれます。
もちろん、これも推測です。
逆に、「システムの抜け道を探して、後で何かに悪用しようとしていた」とまで考える材料は、現在の情報にはありません。
だから今回の問題で本当に怖いのは、巨大な陰謀が隠れていることではないのかもしれません。
制度を一番よく知っている人たちだからこそ、「このくらいなら大丈夫」とルールを軽く見てしまった可能性です。
一般の利用者なら「やってはいけない」と止まるところで、担当者はその先で何が起こるかを知っている。
その知識が本来は制度を守るために使われるはずなのに、逆に心理的なハードルを下げてしまったのだとすれば、かなり皮肉な話です。
そして、だからこそ「悪ふざけ」という言葉がこれほど引っかかります。
いい大人が4人もそろって何をしているんだ、という怒りもある。
でも、それ以上に残るのは、「悪ふざけで済ませられるほど軽い制度だったのか?」という不安でしょう。
4人が本当は何を考えていたのかは、本人たちにしか分かりません。
ただ、加工写真、無断の申請、事実と異なる取り下げ理由。
これらが明らかになっている以上、「実証実験でした」「悪ふざけでした」だけでは、市民が腑に落ちないのも無理はないということなんです。
