毎日新聞
参政党の元秘書・平岡ゆかりさんの突然の死が、いま政界とネット上に大きな波紋を広げています。
一体なぜ、彼女は自ら命を絶つという選択をしたのか──?
神谷宗幣氏との関係や、党内での出来事、そしてSNSで噴出する証言や疑惑。
この記事では、その背景にあった「3つの問題点」に焦点を当て、真相に迫ります。
目次
元参政党秘書・平岡ゆかりさんとは?
平岡ゆかり(本名:平岡有加里)さんは、参政党の代表・神谷宗幣氏のもとで公設秘書を務めていた女性です。
参政党が勢いを増していた2022年の参院選直後から、党の立ち上げを陰で支えてきた人物。
年齢は公表されていませんが、平岡さんが亡くなった2023年、娘の平岡花梨さんが19歳であったと報じられていることから、当時40代から50代前半だったのではないかと推測されています。
党本部の開設やイベントの段取り、地方でのタウンミーティングまで、現場で手足となって動いていた「裏方の要」でした。
とくに、有料で行われるタウンミーティングの集客や企画に深く関与。
参政党の収益面でも重要な役割を担っていた存在です。
プライベートでは1児の母。
娘の花梨さんとともに、神谷氏が主催するフリースクール「加賀塾」にも関わっており、親子そろって参政党の世界にどっぷり浸かっていました。
平岡さんは、参政党の理念に深く共感していたことでも知られています。
「日本人ファースト」「オーガニック給食」などのメッセージに惹かれ、神谷氏のYouTubeチャンネルを観て「目が覚めた」と話していたという証言も。
真面目で実直、そして繊細。
知人からは「人一倍責任感が強い人だった」と語られています。
そのぶん、理想と現実のギャップや、プレッシャーを強く感じやすい一面もあったようです。
2023年2月に参政党の秘書を解任され、一般スタッフへ降格。
そして、同年9月には退職。
12月、自ら命を絶ちました。
誰よりも参政党を支え、信じ、捧げた彼女の最後──そこには何があったのでしょうか。
神谷宗幣との3つの問題
平岡ゆかりさんの死をめぐって浮かび上がっている「3つの問題点」は、以下の通りです。
パワハラ的な叱責とプレッシャー
2023年2月、平岡さんは神谷宗幣氏からの激しい叱責を受けたと報じられています。
参政党のタウンミーティング集客が予定を下回った際、神谷氏は「この会場の規模に対して、こんな集客でどうするんですか!」と声を荒らげたといいます。
さらに、「意味がないんです!」と、他のスタッフの前で平岡さんを厳しく責め立てた場面もあったとのこと。
このような言動が常態化していたことが、精神的負担を増幅させたと指摘されています。
実際、平岡さんは知人に「どんな暴言吐いても許されると思ってるのかしら」と吐き出しており、明らかに心が限界に近づいていた様子が伺えます。
娘を巻き込んだことへの自責
平岡さんの娘・花梨さんは、神谷氏が関わるフリースクール「加賀塾」の代表に就任していました。
親子で参政党活動に深く関わっていたことが、後に平岡さんの大きな後悔となります。
2024年1月、花梨さんはSNSで「今後一切、神谷宗幣氏関連の事業には関わりたくありません」と投稿。
その投稿は後に削除されましたが、党への失望感と距離を置こうとする意志が強く表れていました。
生前、平岡ゆかりさんは母親として、娘の人生にまで影響を与えてしまったという自責の念が、精神に重くのしかかっていたようです。
知人へのメッセージには、「娘の人生を台無しにしてしまった」といった言葉もあり、親としての苦悩が滲み出ていました。
退職後の心身の限界
平岡さんは2023年2月に公設秘書を解任され、同年9月には参政党自体も退職しています。
それ以降、心身ともに限界に近い状態が続いていたとされています。
Facebookには「家事も手につかず、部屋がぐちゃぐちゃ」と記された投稿があり、生活の乱れが精神的な不安定さと結びついていたことが伺えます。
2023年11月に書かれたとみられるSNS投稿では、感謝の言葉と共に別れを思わせるような内容も綴られていました。
仕事も支えも失ったなかで、精神的な孤立感が一気に深まり、最後の一線を越えてしまった可能性があります。
この3つの問題が複雑に絡み合い、平岡さんの心を追い詰めていったのは間違いないでしょう。
いずれも一過性のものではなく、長期にわたって蓄積されたものだったことが、多くの証言や記録から明らかになっています。
平岡ゆかりさんの死が参政党にもたらした波紋とは?
平岡さんの死は、参政党にとって大きな転換点となりました。
まず、神谷宗幣氏の対応が批判を集めます。
文春の取材に対し、「責任は感じている」と語る一方で、「原因はアンチの攻撃」と主張。
さらに、平岡さんが亡くなった直後にシンガポール家族旅行に出かけていたことも発覚。
この対応に対しては、「無神経すぎる」「他人事か」といった厳しい声がSNS上に殺到しました。
一方で、「文春は偏向報道」「神谷氏は被害者」という擁護の声も少なくありません。
実際、参政党の支持者の多くは「マスコミは信用できない」と考える層が多く、信者的な支持を貫く人々も一定数存在しています。
ただし、党内ではすでに不協和音が表面化していました。
2023年には、武田邦彦氏や吉野敏明氏など、影響力あるメンバーが相次いで離党。
党規約の不透明な変更や、神谷氏の独裁的な体制に反発が高まっていたといわれています。
参政党は2025年の参院選で「6議席獲得」を目指していますが、平岡さんの死をきっかけに女性有権者や中道層からの信頼を失いかねない状況。
政党の信頼性に直結する「内部の労務管理」や「説明責任」に対して、厳しい目が向けられています。
今回の件は、一人の女性の死にとどまらず、参政党という政治団体の体質・本質をも浮き彫りにした出来事といえるでしょう。
まとめ
平岡ゆかりさんの死は、単なる個人の悲劇にとどまらず、参政党という新興政党の体質そのものに大きな疑問を投げかける事件となりました。
彼女が抱えていた「パワハラ的叱責」「娘への自責の念」「孤立と心身の限界」といった3つの問題は、いずれも党の運営体制や神谷宗幣氏の関与と密接に結びついています。
にもかかわらず、参政党はこれまでのところ公式な説明を避け、神谷氏も「アンチの攻撃が原因」と語るにとどまっています。
その姿勢に対して、ネット上では「責任逃れではないか」「党内の闇が深い」といった批判の声が噴出しています。
一方で、参政党を支持する層からは「文春やSNSの報道は偏向的」「神谷氏は悪くない」といった擁護の声も多く、世論は真っ二つに割れている状況です。
この問題が今後の参政党の選挙戦や支持層にどう影響するのか──。それは、神谷氏や党側がどれだけ誠実に説明責任を果たすかにかかっています。
平岡ゆかりさんの死が風化されることなく、真摯な検証と対応に繋がることを願うばかりです。