
幼い子供2人を連れてアフガニスタンを訪れた、旅行系YouTuber「ど根性ゆり」のゆりさん。
今回の旅行をめぐって、Xでは子供の安全を心配する声だけでなく、ある疑問も浮上しています。
そもそも、危険情報レベル4のアフガニスタンへの旅行は、誰が手配したのでしょうか?
というのも、アフガニスタンを実効支配するタリバンが、外国人インフルエンサーを観光PRに利用しているという指摘があるからです。
実際、ゆりさんの投稿には、タリバンによる外国人インフルエンサーの招待について説明するコミュニティノートも付けられています。
ただし、現時点でゆりさん自身がタリバンから招待されたという証拠は確認できていません。
では、タリバンによるインフルエンサーの招待とは、どのようなものなのでしょうか。
ここからは、今回の旅行をめぐる疑問と、批判が広がった背景を分けて整理していきましょう。
ど根性ゆりのアフガニスタン旅行は誰が手配した?
まず気になるのは、今回の旅行を誰が手配したのかという点。
結論からいうと、ゆりさんのアフガニスタン旅行を誰が手配したのか、現時点では明らかになっていません。
本人が旅行会社を利用したのか、現地ガイドに依頼したのか、それとも何らかの招待を受けたのか。
今回の資料だけでは、そこまで確認できない状況です。
ゆりさんは2026年9月30日、3歳と5歳の子供2人を連れて、アフガニスタンの首都カブールに到着したことを写真付きで報告したとされています。
この投稿が批判を集めた大きな理由は、渡航先の危険性でした。
日本の外務省は、アフガニスタン全土について危険情報レベル4を発出しています。
レベル4は「退避してください。渡航は止めてください」という、最も厳しい区分です。
そんな場所へ、幼い子供を2人連れて旅行する。
海外旅行に慣れている人であっても、子供の安全を心配する声が出るのは理解できます。
さらに、ゆりさんは危険性を指摘された際、「外務省とかあてにならない」と返信したとされています。
この発言も、批判が広がるきっかけになりました。
ただ、今回の話にはもう一つ気になる点があります。
それが、現地での旅行の手配なんです。
一般的な観光地であれば、航空券やホテルを予約して自由に観光することもできます。
しかし、アフガニスタンの場合は事情が違います。
現地の治安状況や移動制限などを考えると、旅行者がどのような案内を受け、誰の協力で移動しているのかは気になるところですよね。
もっとも、現地ガイドや旅行会社を利用したからといって、タリバンから直接招待されたことにはなりません。
ここは区別する必要があります。
というのも、今回の旅行には、少なくとも次の3つの異なる立場が関係している可能性があるからです。
- 現地で旅行を手配した人
- 旅行費用を負担した人
- 旅行を許可した当局
この3つは、それぞれ別の存在である可能性があるということなんです。
今回の旅行については、まだその関係が分かっていません。
では、なぜタリバンによる招待という話が浮上したのでしょうか。
タリバンが海外インフルエンサーを招待する目的とは?
タリバンが外国人観光客やインフルエンサーを歓迎する背景にあるのが、観光産業の振興と、アフガニスタンのイメージ改善という目的です。
2021年に再び実権を握ったタリバンは、外国人観光客の誘致に力を入れてきました。
2024年には約9,000人の外国人観光客がアフガニスタンを訪れたと報じられています。
国際社会から孤立しているアフガニスタンにとって、観光業は外貨を獲得できる貴重な産業です。
そこで注目されているのが、YouTubeやInstagramで世界中に情報を発信する旅行系インフルエンサー。
外国人が現地の市場を歩き、観光名所を巡り、住民と楽しそうに交流する。
そんな動画が世界中に広まれば、危険な国というイメージを変える効果も期待できます。
実際、2025年7月には、現地旅行会社が制作した観光PR動画が話題になりました。
外国人旅行者を人質に取ったように見せかけ、最後には笑顔でアフガニスタン旅行を楽しむ様子を紹介するという、かなり刺激的な内容です。
この動画は、タリバン関係のSNSアカウントでも拡散されたと報じられています。
ただし、制作した旅行会社の代表者は、政府との関係を否定しています。
つまり、観光PRがタリバンにとって都合のよい内容だったとしても、すべてが政権の直接的な指示で制作されているわけではないんです。
外国人インフルエンサーに対する特別な待遇についても、複数の報道があります。
2025年9月には、アフガニスタンを旅行した女性インフルエンサーが、現地旅行会社から宿泊費や食費、許可証、ガイドなどの費用について、約600ドル相当の割引を受けていたと報じられました。
本人はタリバンから報酬を受け取ったことを否定しています。
一方、アフガニスタンの現地メディアは、タリバン外務省が一部の外国人インフルエンサーを招待し、航空券や宿泊費、特別警備まで提供していると報じています。
さらに、自然や市場、現地住民の親切さを紹介する一方で、女性の人権問題などには触れないよう求めているという内容でした。
ただし、この報道は匿名情報に基づいており、費用負担や撮影内容への指示がどこまで行われているのか、独立した裏付けが十分に取れているわけではありません。
ここで大事なのは、観光客を積極的に誘致していることと、特定のインフルエンサーに費用を提供して宣伝させていることを分けて考えること。
両者を同じものとして扱うことはできません。
そして、もう一つ見逃せない問題があります。
それは、外国人観光客が体験するアフガニスタンと、現地の女性たちが暮らしているアフガニスタンが、必ずしも同じではないという点です。
2025年11月には、一部の発信者が招待されているように見えるものの、報酬を受け取っているかどうかまでは不明だと報じられています。
現地の人々の親切さを紹介すること自体に問題があるわけではありません。
しかし、観光客が自由に移動できたからといって、現地の女性たちも同じように生活できているとは限らないんです。
観光客が見せてもらった景色だけで、その国の現実を判断してよいのか。
これが、アフガニスタンを訪れる旅行系インフルエンサー全体に向けられている疑問でもあるわけですね。
ど根性ゆりもタリバンに招待された?現時点で分かっていること
では、ゆりさん自身もタリバンから招待されていたのでしょうか。
今回の旅行について、タリバンから直接招待されたという確かな情報は確認できていません。
航空券や宿泊費を誰が負担したのか、現地で誰が案内したのかも不明です。
そのため、タリバンの招待を受けた旅行だったと断定することはできません。
では、なぜそのような疑問が浮上したのでしょうか。
きっかけの一つが、ゆりさんのXへの投稿に付けられたコミュニティノートです。
そこには、タリバンが外国人インフルエンサーを積極的に招待し、旅費や警備を提供しているという趣旨の説明が記載されていました。
先ほど紹介した海外報道と重なる部分もあります。
ただし、このノートが説明しているのは、あくまでタリバンによる観光PR全般の話です。
ゆりさん個人が招待されたことを証明するものではありません。
実際、外国人旅行者がアフガニスタンを訪れる方法は一つではありません。
自分で費用を負担して現地の旅行会社を利用する人もいれば、旅行会社から割引などの提供を受ける人もいます。
現地で特別な案内を受けたとしても、それだけで政権から直接招待されたとは判断できないわけです。
さらに、ゆりさんは今回の旅行以前から、世界各国を巡る活動を続けてきました。
2025年4月の自己紹介動画では、前年に子供2人と68カ国を旅行したと発言しています。
ほぼ毎日旅行してたってこと?
プロフィールでも長年の海外旅行歴を紹介しており、今回初めて海外へ出かけた人物ではありません。
もっとも、過去に多くの国を訪れていることと、今回のアフガニスタン旅行の手配方法は別の話です。
旅行歴が豊富だから自費旅行だったとも、危険な国を訪れたから招待旅行だったとも言えません。
今のところ、どちらかに結びつける決定的な材料がないんですよね。
ここで興味深いのは、招待されたかどうかという疑問とは別に、外国人インフルエンサーによる旅行動画そのものが議論されていることです。
2025年には、タリバンとの直接的な協力を示す証拠がないインフルエンサーについても、その動画が結果的にタリバンの観光振興に役立つ可能性が指摘されています。
つまり、本人が政権の宣伝を目的としていなくても、発信した映像が別の目的に利用される可能性はあるということ。
ただし、旅行動画を投稿したという事実だけで、本人が政権の宣伝に協力したと決めつけることもできません。
今回のゆりさんの旅行についても、手配方法の疑問と、投稿が与える影響は別々に考える必要があるというわけですね。
アフガニスタン旅行の投稿が炎上した本当の理由
今回の批判を考えるうえで、最も重要なのが、旅行に幼い子供2人が同行しているという点です。
単に大人が危険な国へ旅行したという話ではありません。
3歳と5歳の子供を連れていることが、今回の議論を大きくしているんです。
日本の外務省は、アフガニスタン全土について危険情報レベル4を発出しています。
これは一般的な海外旅行の注意喚起とは違います。
テロや誘拐、犯罪などの危険があり、渡航そのものを中止するよう求める内容です。
旅行経験が豊富であっても、こうした危険を完全に避けられる保証はありません。
ましてや、幼い子供は自分で渡航先を選ぶことも、危険を判断することも難しい年齢です。
批判の中心にあるのは、こうした子供の安全に対する懸念だと考えられます。
そして、もう一つ批判が広がる要因となったのが、ゆりさんの発言。
危険性を指摘された際に「外務省とかあてにならない」と返信したとされています。
本人が現地でどのような経験をし、何を根拠にそう考えたのか、今回の資料だけでは詳しく分かりません。
ただ、外務省の危険情報は、観光客が現地で親切にされたかどうかだけで判断されるものではありません。
旅行中に何事も起こらなかったとしても、それが国全体の安全を証明するわけではないんです。
さらに今回、タリバンによるインフルエンサーの招待という話が結びついたことで、旅行の手配方法にまで疑問が広がりました。
もし外国人観光客が特別な警備や案内を受けていた場合、その人が体験する安全と、一般の旅行者が直面する危険には違いが生じる可能性があります。
もちろん、ゆりさんがそのような待遇を受けていたと確認されたわけではありません。
それでも、誰が旅行を手配し、どのような安全対策が取られていたのか。
そうした疑問が生まれる背景には、特別な待遇によって安全面に違いが生じる可能性もあるのでしょう。
一方、アフガニスタンには豊かな文化や美しい自然があり、そこで暮らす人々の日常もあります。
危険情報が出ている国だからといって、現地の人々の親切さや文化まで否定する必要はありません。
実際、旅行者による発信が現地の人々への理解につながるという見方もあります。
ただし、旅先の魅力を伝えることと、その国への旅行が安全だと伝えることは別問題です。
特にアフガニスタンの場合、外国人観光客が体験したことだけでは、現地の治安や女性の置かれている状況のすべては分かりません。
そして今回、さらに問われているのが子供の安全です。
自分の目で世界を見るという大人の選択と、その旅に同行する幼い子供の安全をどう守るのかという問題は、同じではありません。
タリバンから招待されたのかという疑問が解消されたとしても、この問題は残ります。
今回の旅行をめぐる議論は、単なる旅行スタイルの好き嫌いでは片づけられないものになっているのかもしれません。
