アイキャッチ画像 青柳呂武 横長バージョン

 

「口笛のプロ」と聞くと、どんな経歴を想像するでしょうか。

 

子どもの頃から口笛一筋で修業してきた――そう思いきや、青柳呂武(あおやぎ・ろむ)さんの歩んできた道はかなりユニークです。

 

高校は都立日比谷高校、大学は東京藝術大学へ進学し、さらに同大学院まで修了しているのです。

 

すごい高学歴です。

 

しかも東京藝大の二次試験では、自己表現としてモンティの『チャルダッシュ』を口笛で演奏したといいます。

 

「口笛で藝大に入った」と紹介されることもある異色の経歴なんです。

 

東京芸大の入試を口笛で突破したんだ
前例あるのかな?

 

大学在学中には国際口笛コンクールでグランドチャンピオンに輝き、史上最年少・日本人男性初の総合優勝を果たしました。

 

現在はプロの口笛奏者として、テレビ出演だけでなく、映画やアニメ、ゲーム、CMなど数多くの作品にも参加しています。

 

そんな青柳さんですが、最初から「口笛のプロになる」と決めていたわけではなかったようです。

 

中高の音楽教員免許も取得し、別の仕事をしながら口笛を続ける道を考えていたそうです。

 

では、青柳さんの口笛というのは、どうやって東京藝大入試に挑むほどの特技になり、さらには「世界一の楽器」になったのでしょうか。

 

青柳呂武さんの学歴と経歴を、順番にたどっていきましょう。

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青柳呂武の学歴は日比谷高校から東京藝大へ

まずは、青柳呂武さんの学歴から。

 

青柳さんは1994年生まれの32歳、東京都出身です。

 

公表されている学歴は以下の通りです。

 

  • 都立日比谷高校
  • 東京藝術大学 音楽学部 音楽環境創造科
  • 東京藝術大学大学院 音楽研究科 音楽教育

 

大学院まで修了しており、中学校・高校の音楽教員免許も取得しています。

 

かなり本格的な音楽エリートですよね。

 

なかでもやはり面白いのが、東京藝大の入試で口笛を披露していたことです。

 

二次試験の自己表現で選んだのは、モンティ作曲の『チャルダッシュ』。

 

超絶技巧でも知られるこの曲を口笛で演奏したといい、その経歴から「口笛で藝大に入った」と紹介されたりするのです。

 

 

東京藝大の入試で、口笛を披露する人はそうそういないと思われます。

 

しかし青柳さんは「自分は何を表現できる人間なのか」を示す場で口笛を選んだ。

 

ここが青柳さんの超個性的ところなんです。

 

「口笛」を自分の表現手段として強く意識し、自信を持っていたことが分かります。

 

 

青柳さんは幼少期にはバイオリンを習い、その後もピアノ、ホルン、オーボエなど複数の楽器を経験したそうです。

 

「口笛だけをやっていた人」ではありません。

 

さまざまな楽器や音楽教育に触れたうえで、一番身近な音である口笛に可能性を見いだしていったわけです。

 

現在は約4オクターブという広い音域を操り、小鳥のさえずりのような澄んだ音色や、細かなタンギングを駆使して演奏しています。

 

ただ、その原点は意外なほど普通の日常にあったのです。

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幼少期は兄の影響でバイオリンと口笛

青柳さんは3兄弟の末っ子で、兄が2人います。

 

音楽との出会いには、兄たちが大きく関係していました。

 

5歳からスズキ・メソードでバイオリンを始めたのも、兄が教室へ通っていたことがきっかけ。

 

口笛も、兄の真似から始まりました。

 

兄が曲を口笛で吹いているのを見て、弟の青柳さんも吹いてみる。

 

やがて3兄弟でハモるようになったそうです。

 

作業中も、勉強中も、遊んでいるときも兄弟で口笛。

 

家の中に、いつもBGMが流れているような状態だったのかもしれません。

 

ただし、いわゆる「音楽家一家」とは少し違います。

 

両親の職業などは公開されておらず、兄2人も後に一般企業へ就職したと青柳さん自身が語っています。

 

特別な英才教育で口笛奏者を育てようとした家庭ではなく、兄弟の遊びの中に音楽があった。

 

ここが青柳さんの経歴の面白いところですよね。

 

しかも口笛には、バイオリンやピアノにはない魅力がありました。

 

楽器を持ち運ぶ必要も、準備もいらない。

思いついた瞬間、その場で音を出せる。

そんな身軽さと、軽快で艶のある音色に惹かれていったそうです。

 

兄の真似で始めた遊びが、少しずつ「自分独自の楽器」へ変わっていったんです。

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日比谷高校時代に磨かれた口笛の才能

青柳さんは中学生になると、周囲から「口笛がうまい」と言われるようになり、本格的に取り組み始めます。

 

その後進学したのが、東京都立日比谷高校です。

 

日比谷高校は都内の公立高校の中でもトップクラスの難易度を誇る名門校

 

公開されている情報からは、高校時代に具体的にどのような口笛の活動をしていたのかまでは確認できません。

 

「高校で口笛の特別な指導を受けた」といった話ではないようです。

 

それでも、高校卒業後の進路を決める頃には、口笛は単なる「ちょっと変わった特技」ではなくなっていました。

 

その象徴が、東京藝大の入試。

 

子どもの頃に兄を真似して始めた口笛を、東京藝大を受験する自分自身の表現として持っていったわけです。

 

バイオリンをはじめ、ピアノ、ホルン、オーボエなどさまざまな楽器を経験していながら、「自分らしさ」を見せる場で選んだのは口笛でした。

 

そして東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科へ進学します。

 

「口笛で藝大に入った」という紹介が印象に残るのも、単なるキャッチコピーではなく、実際にこうした入試のエピソードがあるからなのでしょう。

 

さらに、その選択が偶然ではなかったことを証明するような出来事が、大学在学中に起こります。

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東京藝大在学中に口笛世界一の快挙

大きな転機となったのが2014年。

 

神奈川県で開催された第41回国際口笛コンクール(IWC2014)へ初出場します。

 

そこで青柳さんは、いきなりグランドチャンピオンに輝きました。

 

史上最年少・日本人男性初の総合優勝。

 

初めて出た国際大会で世界一になったのです。

 

兄弟で何げなく吹いていた口笛が、藝大入試での自己表現になり、今度は世界から評価される「演奏」になった瞬間でした。

 

その後も2016年の世界大会で2位。

 

2017年には「めざましクラシックス超絶技巧選手権」で優勝するなど、口笛奏者として実績を積み上げていきます。

 

2018年には『マツコの知らない世界』にも出演し、一般にも名前が知られるようになりました。

 

 

そして、そんな世界一という肩書き以上に興味深いのが、そこから本当に「口笛を仕事にする人」になっていったことなんです。

 

大学院修了後はプロの口笛奏者へ

青柳さんは東京藝術大学を卒業後、同大学大学院音楽研究科へ進み、音楽教育を学んで修了しました。

 

そして現在は、プロの口笛奏者として幅広く活動しています。

 

ソロコンサートやレッスンだけではありません。

 

NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の劇伴をはじめ、映画、アニメ、ゲーム、CMなどのレコーディングにも参加しています。

 

映画『室町無頼』やJR東日本のCM、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』『FFVI ピクセルリマスター』など、活躍する場は幅広く、『呪術廻戦』関連の音楽にも口笛で参加したとされています。

 

作品を見ていて「なんだか印象に残る口笛だな」と思ったら、実は青柳さんだった――なんてこともあるわけです。

 

さらに、三味線とピアノを組み合わせたユニット「AOI」や、学校向けの「口笛王子と仲間たち」などでも活動。

 

口笛レッスンや学校でのワークショップにも取り組んでいます。

 

ここでは、大学院で音楽教育を学び、教員免許まで取得した経歴がきれいにつながってきます。

 

演奏がうまいだけではありません。

 

「口笛も一つの楽器として楽しめる」と人に伝えるところまでが活動になっているんです。

 

考えてみれば、口笛ほど入口の広い楽器も珍しいですよね。

 

高価な楽器を買う必要も、大きなケースを持ち歩く必要もありません。

 

身体一つあれば始められます。

 

青柳さん自身も、口笛を「誰でも持てる楽器」と位置づけています。

 

日比谷高校から東京藝大、さらに大学院へ。

 

こうした学歴だけを見ると、青柳呂武さんは華々しい音楽エリートに見えます。

 

しかし、その出発点まで戻ってみると、そこにあったのは兄が吹いていた口笛を弟も真似してみた、という何げない兄弟の日常でした。

 

その口笛を東京藝大の入試で披露し、大学時代には世界一になり、ついには職業にしてしまった。

 

こうして一本の線で見ると、「口笛で藝大に入った」というエピソードも、その後の人生を予告していたようで面白いですよね。

 

青柳呂武さんの経歴がすごいのは、「高学歴だから」だけではありません。

 

誰でも持っている「口」という一番身近な楽器を、自分にしかできない表現へ変えてしまったこと。

 

そこにこそ、この口笛奏者の一番ユニークなところがあるのではないでしょうか。

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