
2026年9月15日、イラストレーター兼VTuberのしぐれういと、ジュニア向けブランド「mezzo piano(メゾピアノ)」のコラボグッズやPOPUP SHOPの詳細が発表されました。
描き下ろしイラストは、メゾピアノらしいピンクを基調としたかわいらしい世界観。
一見すると、かなり相性がよさそうなコラボです。
ところがXでは、発表直後から「なぜこの組み合わせ?」「女児向けブランドでやるのは違うのでは」といった批判が広がりました。
実際、今回の企画は「組み合わせそのもの」が批判の中心になったと報じられています。
一方では「曲の意味を誤解している」「イラストレーターとしてのコラボなのだから問題ない」という擁護もあります。
つまり今回、同じコラボを見ているのに、批判側と擁護側では問題にしている場所が少しズレているんですよね。
では、何がここまで引っかかったのか。
順番に整理すると、炎上の輪郭がかなり見えやすくなります。
しぐれうい×メゾピアノはなぜ炎上?
今回の炎上でまず押さえておきたいのは、コラボグッズ自体が過激な内容だったから炎上したわけではないという点です。
株式会社colyの発表によると、コラボでは新規描き下ろしイラストを使ったアクリルスタンドやキーホルダー、ピンズなどを販売。
— しぐれうい🌂 (@ui_shig) September 15, 2026
めちゃめちゃ可愛くないですか!?😭
作っていただいたグッズどれも可愛いのですが、わたしのイチオシはしぐれの服を着たベリエちゃんぬいと、しぐれぬい(mezzo pianoさんのお洋服ver.)です
ほしいぜ…… pic.twitter.com/ktcGmynAr4— しぐれうい🌂 (@ui_shig) September 15, 2026
名古屋PARCO、SHIBUYA109渋谷店、心斎橋PARCOで10月にPOPUP SHOPが開催され、その後は受注販売も予定されています。
商品だけを見れば、一般的なキャラクターコラボに見えます。
では、なぜ荒れたのか。
大きいのが、「メゾピアノが実在する女の子のためのブランドである」という部分です。
しぐれういは、イラストレーターやVTuberとして活動する一方、『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』でも広く知られています。
この曲で扱われる「ロリ」というモチーフのイメージと、実際の子どもが服を着るメゾピアノが結びついた。
そこに強い違和感を覚えた人がいたわけです。
ここを外すと、今回の炎上は「VTuberが嫌われている」「オタク文化が批判された」という単純な話に見えてしまいます。
しかし問題視されたのは、しぐれうい個人というより「なぜ、この二者を組み合わせたのか」でした。
この微妙な違いが、今回の炎上を見るうえで重要なんです。
「ロリ神」のイメージが問題視された理由
今回、何度も名前が挙がっているのが『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』です。
YouTube しぐれうい
同曲では「しぐれうい(9さい)」というキャラクターが登場し、「ロリコン」を題材にしたネタが使われています。
もちろん、ここだけを切り取ると話がおかしくなります。
この曲を知るファンからは、ロリコンを肯定する内容ではなく、むしろそうした相手を罵倒する構図だという反論が出ています。
だから擁護側からすると、「曲の文脈を無視して『ロリ神=危険』と結びつけるのはおかしい」となるわけです。
この反論には、今回の炎上を理解するうえで無視できないポイントがあります。
ただし、批判側が見ているのは必ずしも「曲が何を主張しているか」だけではありません。
タイトルにも「ロリ」が入り、「9さい」というキャラクター設定があり、そのイメージとしぐれういの名前が強く結びついている。
そこへ、実際の女の子が日常的に着るメゾピアノが入ってきました。
曲の意図を知っている人と、ブランド側から初めてしぐれういを知った人では、当然ながら受け取り方が違います。
つまり、「曲の意味を正しく理解すれば問題ない」という説明だけでは、今回の違和感を全部は回収できないんですよね。
作品の意図の話と、企業コラボとしてどう見えるかの話は別。
ここを分けて考えると、批判と擁護がすれ違う理由も見えてきます。
保護者が引っかかったのは客層のズレ?
ここでもう一つ気になるのが、メゾピアノとしぐれうい、それぞれを取り巻く客層の違いです。
今回の反応で特徴的なのは、しぐれういをもともと嫌っていた人だけが批判しているとは言い切れないところ。
報道では、メゾピアノの購買層としぐれういのファン層の違いを指摘する声や、子ども向けブランドとしての姿勢に失望を示す反応も紹介されています。
ここに、今回の炎上が大きくなった理由があるように思います。
メゾピアノは、単なる「かわいいキャラクター」ではありません。
実際に子どもが着る服を販売し、保護者がお金を払って選ぶブランドです。
しかも、自分が子どもの頃にメゾピアノを着ていたという世代もいます。
そうなるとブランドへの感覚は、単なるデザインの好みより少し重くなる。
「娘に着せたいブランドだった」
「自分が子どもの頃に好きだった」
そんな思い入れがある場所に、予想していなかった文脈が入ってきたわけです。
だからこそ、批判の中には「しぐれういが嫌い」というより、「メゾピアノにはそこへ行ってほしくなかった」という失望に近い感情も混ざっているように見えます。
これなら、反応の強さにも少し納得がいきますね。
商品がかわいいかどうかだけではない。
自分が信頼していたブランドの「守備範囲」が突然変わったように感じたことが、モヤモヤにつながったのでしょう。
擁護側が「問題ない」と考える理由
では、擁護側から見るとどうなのか。
もちろん、今回のコラボを歓迎する声もあります。
擁護側から見れば、まず前提として「ロリ神」の扱われ方そのものが雑すぎるという不満があります。
曲のタイトルや一部分だけを見て、しぐれういやファン全体を危険な存在のように結びつけるのは飛躍ではないか、ということです。
さらに、しぐれういの本業の一つはイラストレーター。
今回公開されたビジュアルも、メゾピアノの世界観としぐれういの絵柄を組み合わせたものであり、問題視されている楽曲との直接的なコラボではありません。
公式発表の商品ラインナップにも、『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』を前面に出した企画は確認できません。
そう考えれば、「かわいい絵を描くクリエイターと、かわいいブランドが組んだだけでは?」という見方になるのも不思議ではありません。
ただ、ここで気をつけたいのは、ファン全体をひとまとめにして語らないことです。
一部のイメージから「しぐれういのファン=こういう人たち」と決めつけてしまえば、それもまた別の乱暴な話になってしまいます。
だから擁護側には、コラボを守りたい気持ちだけでなく、自分たちまで危険視されているように感じることへの反発もあるのでしょう。
そう考えると、こちらも単純な「推しをかばっているだけ」では片づけられないんですよね。
批判と擁護がかみ合わない本当のワケ
今回の炎上がややこしい最大のポイントは、批判側と擁護側が別々の問いに答えていること。
擁護側が主に見ているのは、「『ロリ神』は本当に子どもを性的に扱うことを肯定する作品なのか」という部分です。
さらに、「しぐれうい本人やファンを危険視する根拠があるのか」という問いもあります。
一方、批判側が気にしているのは、「実在する女児向けブランドが、そのイメージを持つクリエイターと組む必要があったのか」という部分。
そして、「保護者が安心して選んできたブランドとして、その判断に違和感はないのか」という問いです。
似ていますが、実はかなり違います。
だから「ロリ神はそういう曲じゃない」と説明しても、ブランド選定への疑問は消えません。
逆に「女児向けブランドだから嫌だ」とだけ言えば、しぐれうい本人やファンまで問題視しているように受け取られ、擁護側は反発します。
片方は作品の意図を話し、もう片方はブランドとの距離感を話している。
これでは、なかなか話がかみ合わないわけですね。
そして今回、人々が強く反応した理由は、コラボ商品のデザイン以上に「子ども向けブランドに何を期待するか」という感覚の違いだったのではないでしょうか。
メゾピアノをファッションブランドとして見るなら、「かわいい×かわいい」のコラボです。
一方、子どもと保護者が長く接するブランドとして見るなら、「なぜこの相手を選んだの?」という疑問が出てくる。
同じメゾピアノを見ていても、そこに求めているものが違うんですよね。
なお、2026年9月17日時点でcolyの公式ページにはPOPUP SHOPや商品の案内が掲載されたままで、少なくとも確認できる公式情報上では企画中止の告知は見当たりません。
今回の炎上は、「ロリ神が良いか悪いか」だけで終わる話ではなさそうです。
クリエイターをどの文脈で見るのか。そして、子ども向けブランドにどこまでの安心感を求めるのか。
その前提が違うからこそ、同じかわいいコラボを見ても、ここまで正反対の景色が見えているのかもしれません。

[…] しぐれうい×メゾピアノ炎上の理由は?批判と擁護がかみ合わないワケ […]