
辻希美さんが、次男・昊空(そら)くん(13歳)と三男・幸空(こあ)くん(7歳)の「夜驚症(やきょうしょう)」をYouTubeで告白しました。
夜中に突然泣いたり暴れたりするだけでなく、幸空くんはせき込んで吐いてしまうこともあるそうです。
同じ経験を持つ親からは「うちの子も同じ」「分かる」と共感する声が寄せられました。
その一方で出てきたのが、「顔も名前も知られている子供の症状を、そこまで詳しく話していいの?」という疑問です。
これは単純に「辻希美さんの発信が良いか悪いか」という話ではないと思います。
同じ悩みを持つ親にとっては救いになる。
でも、話されているのは親自身の体調ではなく、子供のかなりプライベートな情報です。
今回、多くの人が引っかかったのは、まさにこの境界線なのではないでしょうか。
辻希美が明かした息子2人の夜驚症とは?
まずは、辻希美さんが明かした息子2人の症状から見ていきましょう。
辻さんは自身のYouTubeチャンネルで、子供たちの近況について話す中、次男と三男に夜驚症があることを明かしました。
夜驚症とは、眠り始めてから深い睡眠に入っているとき、突然叫んだり泣いたり、パニックのような状態になったりする症状です。
本人は目を開けていても意識がはっきりしていないことがあり、翌朝にはほとんど覚えていない場合もあります。
辻さんによると、次男の昊空くんの場合、眠ってから1時間ほどすると泣いたり暴れたりすることがあるそうです。
そのときの力はかなり強く、辻さん一人では抑えられないほどになることも。
ただ、最近は以前より症状が減ってきており、本人も「あ、これ今なるな」と分かって、自分でセーブできるようになってきたと話しています。
一方、三男の幸空くんにも似た症状があるそうです。
夜中に泣いたり暴れたりするほか、せき込んだ末に吐いてしまったり、意味の分からない言葉を話したりすることもあるといいます。
しかも、翌朝になると本人はほとんど覚えていない。
初めて目の前で起きたら、親としては相当びっくりするでしょう。
辻さんがその様子を「呪われたみたいになる」と表現したのも、それほど普段とは違う姿に見えるという意味だったのでしょう。
また、発熱など体調が悪いときには症状が出やすく、その声によって次女の夢空(1歳)ちゃんが起きてしまうこともあるそうです。
辻さんは周囲にも似た経験を持つ家庭があることから、「結構いるのかな」と感じた様子。
漢方薬なども検討していると話しています。
こうした告白によって、「夜驚症」という言葉を初めて知った人もいたでしょう。
そして、同じ状況に悩んできた親にとっては、「うちだけじゃなかった」と思える発信にもなりました。
ところが、今回話題になったのは症状そのものだけではなかったんです。
リアルな症状の公開に批判が出た理由
ここで引っかかった人がいたのが、症状を明かしたことよりも、その「詳しさ」です。
ネット上では今回の告白に対して、「子供の病気や症状をリアルタイムで世間に公開する必要があるのか」という趣旨の疑問も出ています。
ポイントは、夜驚症について話したことそのものではありません。
引っかかっている人がいるのは、その「詳しさ」なんですよね。
泣く。
暴れる。
親一人では抑えられない。
せき込んで吐いてしまう。
意味の分からない言葉を話す。
ここまで具体的になると、「親の育児体験」だけではなく、「子供本人のプライベートな症状」という面が強くなってきます。
しかも辻さんの子供たちは、これまで家族の発信を通じて名前や顔が広く知られてきました。
匿名の「うちの息子」の話とは事情が違います。
名前を聞けば、どの子の話なのか分かってしまう。
だからこそ、「そこまで公表して大丈夫?」という反応につながったのでしょう。
ここで難しいのは、親に悪意がなくても、子供が将来どう感じるかまではわからないことです。
今はまだ気にしていなくても、中学生、高校生、大人になったときに、自分が寝ている間に暴れたり吐いたりしていたことまでネット上で知られている状況を嫌だと感じるかもしれません。
ネットに出た情報は、本人が成長したからといって一緒に消えてくれるわけではないんですよね。
親からすると「子育てで本当に困っていることを話した」。
でも子供からすると「自分の体のことを話された」になる可能性がある。
この視点のズレが、今回の批判の中心にあるように見えます。
共感の声も多いのになぜモヤモヤする?
では、共感する声も多いのに、なぜモヤモヤが残るのでしょうか。
一方で、辻さんの告白に共感する人が多いのも不思議ではありません。
夜驚症のように夜中に起きる症状は、家庭の中で完結しやすいものです。
外では元気に過ごしている。
昼間に会うママ友から見ても分からない。
でも夜になると突然泣き叫び、何をしても落ち着かない。
そんな状況が続けば、「これってうちの子だけ?」と不安になる親もいるでしょう。
そこへ知名度の高い辻さんが具体的な経験を話せば、救われる人がいるのも当然です。
「自分のところも同じだった」
「成長したら落ち着いた」
そんな経験談が集まることで、孤立していた親が安心できることもあります。
だから今回の話は、「公開したからダメ」で簡単に片づけにくいんですよね。
誰かのプライベートな体験が、別の誰かにとって役立つ情報になる。
SNSやYouTubeでは、よくあることです。
ただし今回、体験の当事者は辻さんだけではありません。
症状が出ているのは子供たちです。
ここにモヤモヤの正体があるのではないでしょうか。
自分自身の病気なら、どこまで詳しく話すかは自分で決められます。
しかし子供の場合、公開するかどうかを決めるのは多くの場合、親になります。
その発信によって助かる人が100人いたとしても、将来その子自身が「これは知られたくなかった」と感じる可能性はゼロにはできません。
「役に立つ情報だから公開していい」と「本人が公開されたくない情報かもしれない」は、同時に成立するんですよね。
だから、共感できるのに少し引っかかる。
辻さんの大変さも分かる。
同じ悩みを持つ親が救われるのも分かる。
それでも、「子供本人はどうなんだろう?」という疑問だけが残る。
今回の反応が賛否できれいに二分されないのは、そのためだと思います。
親の発信と子供のプライバシーの境界線
最後に見えてくるのが、親が子供について発信するときの境界線です。
特に辻さんのように、家族の日常そのものが長年コンテンツの一部になってきた場合、その境界はさらに曖昧になります。
「最近、子供の夜驚症に悩んでいます」
ここまでなら親自身の悩みとして受け取る人も多いでしょう。
では、「夜中に暴れる」は?
「一人では抑えられない」は?
「吐いてしまう」は?
どこからが話しすぎなのか。
明確な一本線を引くのは難しいところです。
ただ、一つの考え方として、「これは親である自分の情報なのか、それとも子供本人の情報なのか」と分けてみることはできそうです。
「夜中の対応で眠れなくて大変だった」は親の体験です。
一方、「本人がどんな状態になり、何をしてしまうのか」は子供側の情報でもあります。
同じ出来事を話していても、この2つは微妙に違うんですよね。
さらに、子供の顔や名前がすでに知られている場合は、公開した情報を本人と簡単に結びつけられてしまいます。
だから有名人の子育て発信では、「一般家庭でも話す内容だから」という感覚だけでは測れない部分があるのでしょう。
もちろん、今回の発信だけを見て辻さんの子育てそのものを否定するのは話が飛びすぎています。
同じ悩みを持つ親と共有したかったという意図も読み取れますし、実際に共感の声も寄せられています。
問題は「話すか、黙るか」の二択ではなく、子供の話をするとき、本人が将来背負う情報をどこまで残すのかということなのだと思います。
子育てのリアルを発信すればするほど、共感は生まれやすい。
でもリアルであればあるほど、そこには子供自身のプライバシーも入ってきます。
親にとっては今日の育児の話でも、子供にとっては何年後にも検索できる「自分の過去」になる。
今回のモヤモヤは、辻希美さん一家だけの問題ではありません。
子供の日常を気軽にネットへ載せられる時代だからこそ、「親が話していいこと」と「子供自身に残しておくこと」の境界を、以前より少し慎重に考える必要が出てきたということなのかもしれません。
